アジアは世界平均に比べてクラウドネイティブアプリの導入率が低い Splunkが調査レポートを発表:「2023年には87%がマルチクラウドを利用する」
Splunkは「セキュリティ調査レポート 2021」を発表した。ネットワークに焦点を当てた旧来の「境界防御」は不十分だとしており、「ゼロトラスト」を重要視する必要があると指摘している。
Splunkは2021年6月3日、「セキュリティ調査レポート 2021」(2021 State of Security)を発表した。Enterprise Strategy Groupと共同で、北米(米国とカナダ)や西欧(フランス、ドイツ、英国)、アジア太平洋地域(オーストラリア、日本、ニュージーランド、シンガポール)で実施した調査結果をまとめた。
深刻なサイバー攻撃の事例があっても実際に対処した企業は2割
2020年に発生したSolarWindsのネットワークソフトウェアへのサイバー攻撃は、米国の政府機関やIT企業のセキュリティを破壊する深刻なものだった。今回の調査で「こうしたサプライチェーン攻撃が再び起こる」と考えているセキュリティリーダーが78%を占めたが、実際にベンダーリスク管理ポリシーを再評価または変更した企業の割合は23%にすぎなかった。
セキュリティの支出について聞くと「増える」と回答した企業の割合は88%で、「著しく増加」と回答した企業は35%だった。2019年よりもセキュリティの要件が厳しくなったと回答した割合は49%に上った。その理由を聞くと、巧妙化する脅威への対処(48%)、ワークロードのクラウド化による攻撃対象の監視の難しさ(32%)、従業員の雇用(28%)が挙がった。
アジアは世界平均に比べてクラウドネイティブアプリの導入率が低い
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として広まったテレワークへの急激な移行は、クラウドサービスの導入を推進した。今回の調査によると、クラウドユーザーの75%がマルチクラウドを利用しており、Splunkは「2年後には87%に拡大する」とみている。
だが、アジア太平洋地域でいえば、世界平均に比べてクラウドネイティブアプリケーションの導入率は低かった。
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