連載
仮想ログファイルに関する情報を出力する:SQL Server動的管理ビューレファレンス(25)
「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、仮想ログファイル情報の出力について解説します。
本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は「sys.dm_db_log_info」における仮想ログファイルに関する情報の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server 2016 SP2以降です。
概要
SQL Serverのトランザクションログファイルは、物理的なファイルを仮想ログファイル(VLF)と呼ばれる単位に区切って使用されています。VLFの個数やサイズは動的に決められており、運用方法によっては多数のVLFがトランザクションログファイルに作成されます。ファイルの圧縮などもVLF単位に行われるため、VLF状況の把握が必要になることがあります。「sys.dm_db_log_info」ではトランザクションログファイル内のVLFの情報などを確認できます。
構文と引数
構文 sys.dm_db_log_info (database_id)
引数名 | データ型 | 既定値 | 説明 |
---|---|---|---|
database_id | int | NULL | データベースIDの指定。以下のいずれかの値を指定する database_id NULL DEFAULT NULLおよびDEFAULTは現在のデータベースのコンテキストと同じ値になる |
出力内容
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
database_id | int | データベースID |
file_id | smallint | トランザクションログファイルのファイルID |
vlf_begin_offset | bigint | VLFの開始オフセット |
vlf_size_mb | float | VLFのサイズ |
vlf_sequence_number | bigint | VLFのシーケンス番号 |
vlf_active | bit | VLFの使用状況。次のいずれかになる 0 - VLFは未使用 1 - VLFはアクティブ |
vlf_status | int | VLFの状態。次のいずれかになる 0 - VLFは非アクティブ 1 - VLFは初期化されているが未使用 2 - VLFはアクティブ |
vlf_parity | tinyint | VLFのログの末尾を決めるパリティ |
vlf_first_lsn | nvarchar(48) | VLFの最初のログシーケンス番号(LSN) |
vlf_create_lsn | nvarchar(48) | VLFを作成したLSN |
vlf_encryptor_thumbprint | varbinary(20) | 透過的暗号化の母印。使用していない場合はNULL |
動作例
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