「つぶしが利かない仕事」で、この先どうなるのか不安:仕事が「つまんない」ままでいいの?(79)(3/3 ページ)
先行きの見通しが立ちにくい今、限定的な仕事をしていると、この先のキャリアが描けず、不安になりますよね。
「つぶしが利かない会社」の経営層や人事の皆さんへ
最後に、「つぶしが利かない会社」の経営層や人事の皆さんへ。
冒頭でもお話しましたが、社会環境や働き方が劇的に変わっている今、将来の働き方やキャリアに不安を抱えている人が多いのではないかと思います。
経済が右肩上がりの時代だったら、定年まで会社で雇用することが、社員を守ることでしたし、それでよかったのでしょう。現場の仕事をやり、管理職になり、役職定年を迎えたら後は定年までゆっくり過ごして退職……そういったキャリアプランが普通で、それを歩んでもらえばよかったのです。
でも、人生100年時代とまことしやかに言われ、一方で、社会が不安定で先行きがどうなるか予想がつかず、会社の寿命も短くなっている今、これまでの「一度会社に入ったら、定年まで過ごす」という働き方は、現実的ではなくなってきました。これからは「複数のキャリアを経験する」ことが当たり前になってくるはずです。
そんな中、「転職されちゃ困るから」「情報漏えいが心配だから」と社員を会社の中に閉じ込めておきたくなる気持ちも分からなくはないのですが、複業をはじめ、社員が「自分の足で生きていく力」を付けていくキャリアデザインを一緒に考えることも大切なのではないかと思います。
逆に、そういった「柔軟な会社」の方が、「働きやすい」と評価され、労働市場からも選ばれる会社になるはずです。これからは、このような「社員と共に成長できる会社」が増えるといいなと思っています。
筆者プロフィール
しごとのみらい理事長 竹内義晴
「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティーの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。
著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。
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