シニア世代が「本当はいやだけど我慢していること」 サイボウズが、職場との関わり方に関する調査結果を発表:「年下の上司」はそんなに気にならない
サイボウズは「シニア社員の職場との関わり」についての意識調査の結果を発表した。職場の人から気軽に話し掛けてほしいと考えているシニアが多く、職場の同僚といかに関わるかを意識していた。
サイボウズ チームワーク総研(以下、サイボウズ)は2021年8月12日、「シニア社員の職場との関わり」についての意識調査の結果を発表した。この調査は、70歳まで就労機会を確保するよう努力義務を定めた「改正高年齢者雇用安定法」が2021年4月に施行されたことをきっかけに実施したもので、サイボウズは「今後の就業者高齢化を見据えて組織内協業の在り方について調べた」としている。
調査対象はシニア世代(55〜64歳)の社員で3093人から回答を得た。
周囲と良好な関係が築けるかどうかが課題
職場の人からどのように接してほしいかを聞いたところ、「気軽に話し掛けてほしい」と考えている人が多く、76.4%(複数回答)だった。次いで「新しい知識を教えてほしい」が52.7%、「職場や仕事の未来について話したい」が47.1%だった。
サイボウズは「職場の人たちにとってシニア世代のほとんどが年上だ。そのため、コミュニケーションの難しさを感じているようだ」と考察する。
「今後、自身が働く上で周囲から求められると感じること」について聞くと、「年齢を問わず、周囲との良好な関係性」が最も多く、43.3%(複数回答、以下同)。次いで「判断力」が37.8%、「自身のノウハウ共有」が36.3%、「コミュニケーション力」が36.1%、「サポート力」が36.0%だった。
「自分の上司が年下でも気にしない」79.2%
職場のさまざまな変化を受け入れられているかどうかについて聞いたところ、「自分の経験則が通じない」(51.4%)、「自分より下位/後輩が敬語で接しない」(45.6%)、「若者チーム(30代以下のみ)への参加」(39.6%)といった状況に対し、「正直いやだ」と回答した割合が高かった。
一方で「従来のビジネスプロセスの変更」や「ペーパーレス化」といったビジネス環境の変化に伴うことや、「上司部下の年齢」に関わることについては「問題ない」が7割を超えた。
現在の職場や仕事への気持ちを聞いたところ、68.1%が「やる気がある」と回答している。中でも「職場でコミュニケーションが取れている」「職場で自分の役割が明確になっている」など周囲との関わりを実感するほど、やる気が起きやすいということが分かった。
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