「成長するために頑張ること」と「強過ぎるプレッシャーの中で仕事をすること」は違う:Go AbekawaのGo Global!〜Maverick Tayag編(後)(1/3 ページ)
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。前回に引き続き三通のMaverick Tayag(マーベリック・タヤッグ)氏にお話を伺う。祖母の後押しもあり、日本で働き始めたタヤッグ氏。同氏が日本のエンジニアに対して思うこととは。
世界で活躍するエンジニアにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。前回に引き続き今回も三通のMaverick Tayag(マーベリック・タヤッグ)氏にご登場いただく。「フィリピンのためにやりたいことがたくさんある」という同氏が一番注目している取り組みとは。聞き手は、アップルやディズニーなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
「日本は良いところ」と後押ししてくれたのは祖母
阿部川“Go”久広(以降、阿部川) 大学を卒業後、インターン先の企業に就職されます。
タヤッグ氏 はい。卒業して数カ月は、インターン先だった叔父の企業で仕事を続けました。その後、マニラにある日本の企業に就職する機会に恵まれました。「これで日本に行けるかもしれない」と思ったことを覚えています。
阿部川 なぜ、日本だったのでしょうか。
タヤッグ氏 理由は幾つかあります。1つは、自分の可能性を違った国、違った言語で試してみたかったんです。
阿部川 マーベリックさんは日本語を含め4カ国語が話せるんですよね。
タヤッグ氏 はい、日本語は最近できるようになったばかりなので日常の会話はできますが、もっと語彙(ごい)を増やさないといけないと思っています。それ以外の言語は生まれ故郷の言葉とフィリピンの公用語のタガログ語、それと英語です。
阿部川 一番安心して話せるのは、生まれ故郷の方言ですか。
タヤッグ氏 それはそうなのですが、フィリピンにはもう使われていないものも含めると全部で187の言語があるといわれています。私の故郷の言葉はカパンパンガン語という言語で、その中にも幾つかの派生があります。「理解はできるけれども話せない人が多い言語」といわれることもあります。パンパンガ州はマニラに近いので、マニラには話せる人もいますが、多くの人々にとっては、カパンパンガン語は第二言語です。
阿部川 そうなのですね。日本を目指した理由に戻りましょう。
タヤッグ氏 言語の他には技術に関する理由があります。日本は先端技術における先進的な国ですからそこで多くのことを学びたいと考えていました。実は祖母が若いころ、交換留学生として日本で過ごしたことがあったそうで、強く勧められた、というのも理由の一つです。来日してからはどんどん日本が好きになりました。父が赴任している中東よりも文化的に肌に合う感じがしましたし、日本の方はみんな親切ですから。
阿部川 そう言っていただけると光栄です。でもフィリピンが恋しくなったりしませんか。
タヤッグ氏 もちろん、ホームシックになることはあります。ただもう日本に住んで5〜6年ですからすっかり慣れましたので、(フィリピンに行くなら)休暇で訪れたいといった感じですね。
阿部川 フィリピンとはここが違う、といったことはありますか。
タヤッグ氏 交通の便がいいことは大きく違います。日本では北から南まで、別にそれほど苦労することなく移動できます。フィリピンではとても長い時間がかかりますし、乗り継ぎなどのためにいつも急いで乗り物に乗らなければなりません。
高校生のときになりたかった職業を聞いたとき「土木エンジニアか医者かパイロット」とタヤッグ氏は答えました。「ヒーローのように何でもできる人になりたいというのは分かるが、一見バラバラの職業を選ぶ理由は何なのか」がしっくりこなかったのですが、ここまで話を聞いて納得しました。フィリピンの国土は縦長で幾つもの島がまとまった形をしています。島が多いということは山も多いということです。山間部では医療が行き届かないことがありますし、交通インフラが整っていないことも多いでしょう。土木エンジニア、医者、パイロット。きっとタヤッグ氏は、「これらはフィリピンの生活を支えるために重要な職業だ」と考えたのではないでしょうか。
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