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「成長するために頑張ること」と「強過ぎるプレッシャーの中で仕事をすること」は違うGo AbekawaのGo Global!〜Maverick Tayag編(後)(2/3 ページ)

グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。前回に引き続き三通のMaverick Tayag(マーベリック・タヤッグ)氏にお話を伺う。祖母の後押しもあり、日本で働き始めたタヤッグ氏。同氏が日本のエンジニアに対して思うこととは。

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Hatena

今の自分は、過去に学んだことでできている

阿部川 現在のお仕事について教えていただけますか。

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阿部川“Go”久広

タヤッグ氏 主にリアルタイムコミュニケーションに関する業務をしています。今は仮想システムなどのマイグレーションを担当していますが、IPC(プロセス間通信)アプリケーションやボイスサーバの開発、電話のネットワークとルーターの管理などもしています。ITはほぼ毎日のように進化していきますから、この進化そのものが素晴らしいと思います。その流れにしっかり付いていくことで自分の実力も上がっていくと思っています。頭脳の力や想像力は無限ですからね。

阿部川 高校、大学と続けられたことが、今はしっかり仕事に反映されているようですね。毎日、楽しく仕事をなさっているようにお見受けします。

タヤッグ氏 そうですね、今の仕事に満足しています。もちろんどんな仕事でもつらいことや大変なこと、ストレスがたまることはあると思います。ですが私はこの仕事で達成感を得られていますし、楽しめていると思います。

阿部川 素晴らしいですね。現在われわれはコロナ禍の真っただ中にいますが、以前と比べて働き方は変化していますか。

タヤッグ氏 会社全体としては、出社率が 半減していると思います。多くの従業員はテレワークが基本となっていますし、会社に来るのもせいぜい月に1、2回といった頻度ですね。私の働き方はあまり変化していません。社内でのサポート業務が多く、各種のデバイスを物理的に調整する仕事もあるので、これまで通り出社しています。それに多くの企業が以前にも増して電話回線を必要としていますので、この仕事への需要は一気に高まっています。

阿部川 確かにコロナ禍で電話回線などネットワークの重要度は高まっていますので大切なお仕事だと思います。先ほど大変な仕事でも楽しめているというお話がありました。日本のエンジニアの中には、仕事がつらく、辞めたいと悩んでいる人もいます。タヤッグさんは日本のエンジニアと働くこともあると思いますが、そういった人についてどう思われますか。

タヤッグ氏 以前、大学を卒業したばかりの日本のエンジニアの方々と一緒に仕事をしたのですが、仕事に対してとてもプレッシャーを感じているように見えました。新人はいわば原石ですので「しっかり磨かれて早く光りたい」という気持ちは理解できます。ただあまりにも強いプレッシャーはかえって自分を弱めてしまいます。そのようなときは早めにリセットボタンを押してほしいと思います。

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最近のタヤッグ氏(左)。一緒にいるのはお友達かな?

 後は、自分のクリエイティビティを卑下する必要は全くないということです。考えたことや思ったことを口に出して発言すれば昨日とは違った自分に進化できます。学びはずっと続けることができますし、その機会を逃すのはもったいないと思います。学んだことがどこでどう役立つかは、必ずしもすぐ分かるわけではないですが、いつかどこかで効いてきます。今の自分は、過去に学んだことでできています。あるとき、「おお、以前はこんなことは思わなかったのに、今はこんなことが考えられている」という思いを抱けることは素晴らしいことだと思います。

阿部川 マーベリックさんも毎日、新しいことを学んでいらっしゃいますか。

タヤッグ氏 もちろんです。今何か学んでいたとして、それには時間がかかり、生産的ではないかもしれません。でも続けていれば明日は来ます。そう思って自分のモチベーションを上げています。

編集中村
編集 中村

「自分のクリエイティビティを卑下する必要は全くない」というタヤッグ氏の言葉にはっとしました。今より成長していろいろなことができるようになりたいと勉強したり、努力したりすることは大切ですが、決して「今の自分」が駄目なわけではない。今できていないことはたくさんあるかもしれないけれど、自分の思いを大切にしながら経験を積み重ね、振り返ることで新しい自分に進化できる。そんな当たり前のことを改めて考えるきっかけになりました。

 

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