固定電話と0AB-J番号を廃止! あいおいニッセイが新しい企業電話のモデルに:羽ばたけ!ネットワークエンジニア(49)
顧客や関係会社から企業の代表電話に入電した場合、対応するには社員の出社が必要になるだろう。働き方改革を進めるには、社員がどこにいてもスマートフォンで受電できる仕組みが望ましい。大胆な「企業電話モデル」を実現した大手損害保険会社の事例を紹介する。
2022年1月21日、日本経済新聞の朝刊に「あいおいニッセイ、顧客と電話応対『在宅』で」という記事が掲載された。クラウドPBX(構内電話交換機)を使って電話の使い方を大きく変えるという内容だ。今回はあいおいニッセイ同和損保(以下、あいおいニッセイ)の新しい企業電話モデルの意味について解説する。
日本経済新聞に企業ネットワークに関する記事が掲載されるのは、年に一度もないくらい珍しいことだ。在宅勤務など柔軟な働き方や居住地にとらわれない要員配置を可能にするため、2022年10月にクラウドPBXの導入を開始し、全社員に配布したスマートフォンを使うことで、2023年度末までに本社や営業課支社の固定電話を廃止するという。
ただし、保険の支払い部門はCTI(Computer Telephony Integration)を使った別の音声基盤が既にあるため、クラウドPBXの対象ではない。
詳しい内容を把握するため、あいおいニッセイでクラウドPBX導入に関わっている土師邦義氏(総務部総務グループ担当次長)と葛西史直氏(経営企画部企画グループ課長補佐)に2022年2月8日、オンラインで話を伺った。
0AB-J番号を050番号に変えるメリットとは
コロナ禍を契機に電話の使い方を見直した企業は多い。あいおいニッセイも在宅勤務など柔軟な働き方のため、全社員へのスマートフォン配布を2021年3月末までに完了した。しかし、在宅勤務している社員がスマートフォンを持っていても、オフィスの代表電話にかかってくる電話に出ることはできない。
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