自分の強みを知るのに15年かかった:Go AbekawaのGo Global!〜Aaron Farney(後)(2/3 ページ)
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回もUnwired LogicのAaron Farney(アーロン・ファーニー)さんにお話を伺う。19歳から起業を経験したアーロン氏が語る「起業の魅力」とは何か。
10年後もきっとみんなが生き生きと働ける企業を運営している
阿部川 この先、例えば10年間でどんなことをやってみたいと思いますか。
アーロンさん 具体的なイメージはありませんが、私が企業を経営するのはメンバー全員がその企業へオーナーシップを持って生活してもらいたいからなので、そういった企業を運営していると思います。
Unwired Logicも、設立したときはエネルギーマネジメントを行うコンサルティング会社でした。ただ潜在的な顧客と思われる人を誰一人として説得できなかった。そこですぐにピボット(方針転換)して、プロジェクトマネジメントの会社に変えたのです。その結果、たくさんの顧客に恵まれ、メンバーも皆、生き生きと仕事ができるようになりました。もちろん将来のことは分かりませんから、またビジネスドメインをピボットさせるかもしれませんが(笑)。
阿部川 エネルギーマネジメントの会社は顧客がいると思ったから起業したのですよね。現在から見れば、過去のことは明白ですが、もしピボットしていなかったら現在はまた違っていましたよね。
アーロンさん ピボットを決心するまでにいろいろなことがありました。潜在的な顧客企業を何社か訪れて説明すると、皆良いと言ってくれたのに、6カ月ほど続けても1社からも受注がなかった。セールスのサイクルがとても長く、売るまでに6カ月、効果が出るのがさらに1年後ですから、誰も我慢できなかったのです。そこで皆で議論して、とにかく売り上げが必要だから、この事業のプロジェクトマネジメントの部分を販売しようと考えました。プロジェクトマネジメントがうまいということはそれなりに評判になっていたからです。
阿部川 なるほど。起業にはタイミングを読むことも重要ですね。
起業は経験がないとハードルが高いと思います。失敗は誰でも怖いですから。ビジネスにおいて成果が出るのが1年後というのは、今はもちろん、当時もかなりヒリヒリしたことでしょう。そんな中、「みんなで決めた」というのがアーロンさんのすごいところ。幾つもの企業を興して、失敗しつつも成功を重ねることができたのはいつでもチームに対する信頼があったのでしょうね。
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