自分の強みを知るのに15年かかった:Go AbekawaのGo Global!〜Aaron Farney(後)(3/3 ページ)
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回もUnwired LogicのAaron Farney(アーロン・ファーニー)さんにお話を伺う。19歳から起業を経験したアーロン氏が語る「起業の魅力」とは何か。
つかめ、欲しがれ、そうすればできる!
阿部川 エンジニアに向けてメッセージをいただけますか。
アーロンさん 日本には「規則に従う」「行動を慎しむ(前に出過ぎない)」といったことに重きを置く文化があります。それは素晴らしいことです。ですが特に若い方には、もっと人と違うことをしたり考えたりしてほしいと思います。質問はどんなにしてもおかしなことではありませんし、時には言い返してもいい。どうぞどんなことにも知的な関心を持ってください。もちろん全ての人が賛成はしてくれないかもしれませんが、同意してくれる人は必ずいます。あなたに賛成してくれる人、あなたの価値を尊重してくれる人を、どうぞ見つけてください。
それと情熱を持ってください。情熱を持って物事に取り組まないと、なかなかうまくいきません。「EOS」(Entrepreneurial Operating System)というマネジメントの仕組みがあります。そこでは「Gets it, Wants it, Can do it!」という表現があります。仕事や仕事上の役割を与えられたとき、その役割がするべきことを分かっていること(Get it)、やりたいと思うこと(Wants it)、その役割をこなせること(Can do it)という3つの要素が必要です。もし、どれかが欠けているのであれば、その仕事は自分に向いていないということです。実現させる力があったとしても、役割を理解していなければ、やりたいと思わなければ、できるようにはならない。ぐずぐずしているうちに、他の誰かに持って行かれてしまいます。それは「出来が悪いから」とか「スキルがないから」というよりも、自分のやっていることに情熱がないからです。
多くの場合、上司はそこまで手を掛けてはくれませんから、自分のことは自分で何とかしないといけません。自分が情熱を持てることを探さなければいけないのです。それが見つかれば、もう成功したも同じです。
阿部川 「Put the right person in the right sheet!」(適材適所。EOSで提唱されているマネジメントの要点)ですね!
インタビューを終えて 〜Go’s thinking aloud〜
初めて起業したのは19歳のとき。カーステレオのリセールビジネスを1人で立ち上げた。特に何か思い入れがあったというよりも「自分がやれば人よりもうまくできる」という強い思いからだった。アーロンさんは思いと行動が一緒の人だ。海軍に入ったのも、世界中に行ける、さまざまなことが学べる、その上給料ももらえる。こんなに良いことはない、それで決めた。
電気技師からコンピュータへ守備範囲を広げるとプロジェクトマネジャーの世界が広がった。Qurazへ転職し数年たったころには、40以上のビルを管理した。当時を振り返って、「今の自分ならもっとうまくやれると思う」と笑う。現在は米国でも企業を経営している。人よりうまくできると思って始めた現在の会社も10年が過ぎた。この人よりも手際良くこのビジネスを稼働させる人が、まだいない証拠か。
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