私の作ったもので、故郷で働くみんなの疲れを減らしたい:Go AbekawaのGo Global!〜Than Thai Thanh(3/3 ページ)
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回はユニフェイスのThan Thai Thanh(タン・タイ・タイン)さんにお話を伺う。勉強したことを生かし、製品作りに精を出していたタンさんが日本を目指したきっかけとは。
将来はベトナムにユニフェイスの支社を作りたい
阿部川 そして現在のユニフェイスに転職されます。どういういきさつでユニフェイスを見つけたのですか。
タンさん 知り合いからの紹介です。ポンプや車以外の業界でITに携わりたいと考えていて、どこか良い会社がないか探していたときにユニフェイスを紹介してもらったんです。
阿部川 ユニフェイスではどのようなお仕事をされていますか。
タンさん システム開発をしています。工場の工程や設備、労務などを管理する製造業向けのシステムです。
阿部川 プログラミングという点では同じですが、前職と違う部分も多いでしょう。大変ではないですか。
タンさん 最初はちょっと難しかったです。ただ、先輩たちが教えてくれるのでだんだん分かってきて、そうすると楽しさも分かるようになってきました。
阿部川 良かったですね。将来はどういったことをしたいとお考えですか。
タンさん そうですね。いつかベトナムにユニフェイスの支社を作りたいと思っています。今はベトナム人は私1人ですが、ベトナムの人材を集めて育てて、5年後か10年後にベトナム支社を立ち上げるのが目標です。
編集鈴木 大学生のときに温度や湿度でポンプを制御する製品を作ってご両親の農業に役立てたお話がありましたが、今後何か作りたいと思っているものはありますか。
タンさん 幾つかありますよ。例えば、センサーを使ってスマートフォンやWebサイトなどを見るだけで農園の状態を把握できるようにしたり設備をコントロールしたりするシステムを作りたいですね。農業でIoT(Internet of Things)活用が注目されていると思いますが、私の実家の辺りではあまり進んでいません。それが本当に役立つのか、設備に投資してちゃんと利益(効果)が出るのか、まだ信用できないみたいです。
編集鈴木 タンさんのご両親が最初にそういうシステムを導入して、こんなにうまくいったよという事例を示したら、周りの人もまねして導入してくれるかもしれませんね。そうやって、故郷のみんなの仕事が楽になるといいですね。
タンさん そうですね。私の作ったシステムや製品でみんなの農業の疲れを減らせたらいいですね。それもかなえたい夢ですね。
インタビューを終えて 〜Go’s thinking aloud〜
子供のころから家の手伝いをしてきたから、「忙しい」ことが習い性になっている。大学の時も、就職してからも、休むことなく動き回っていた。そのためだろう、学校でも会社でも機会を創ってくれる先輩に恵まれた。
高校でウエブサイトを立ち上げ、大学でバイトしながら家のために電光掲示板を制作した。起業を進める人がいたら、そのとき会社を興していたかもしれないという。
メコン川の流れは、豊富な食材だけではなく、優れたエンジニアも世界に供給する。日本ではエンジニア不足、2025年の崖などの問題が言い立てられているが、世界規模でエンジニア不足を標準化していく試みを日本発で行うにはどうすればいいのだろうか。
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