メタバースによる仮想企業が誕生かーー2023年、目を離せない12のIT戦略テーマとは:「ITR注目トレンド2023」を公開
ITRは「ITR注目トレンド2023」を公開した。2023年に企業が注目すべき12のIT戦略テーマを取り上げ、各戦略テーマの将来予測を示している。
アイ・ティ・アール(ITR)は2022年10月20日、2023年に企業が注目すべき12のIT戦略テーマと、各戦略テーマの将来予測を示したレポート「ITR注目トレンド2023」を公開した。レポートでは12の戦略テーマを「未来志向エンタープライズ」「デジタルビジネス創生」「次世代ビジネス基盤」という3つの観点で分け、それぞれ解説している。
【訂正:2022年10月21日12時33分 タイトルに誤りがありましたので、修正いたしました。誤「メターバース」→正「メタバース」】
未来志向エンタープライズへの変革
この観点では「バーチャルカンパニー」「ハイブリッドワーク」など、働き方や働く場所に関するテーマについて解説している。
- メタバースによるバーチャルカンパニーの実現
- コンポーザブルエンタープライズ実現に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)の浸透、定着化
- 顧客エンゲージメントと収益の両立に向けた組織および業務の再構築
- ハイブリッドワークへの対応とコミュニケーション基盤の強化
一例として、メタバースによるバーチャルカンパニーの実現についてITRは「仮想空間でミーティングや教育、訓練、セールス、マーケティングなどの活動機会を増加させ、将来に向けてメタバースの活用を目指すべきだ」と提言している。
デジタルビジネス創生へ向けた環境構築
この観点は開発環境の刷新や「Web3.0」「パーソナルデータ」など、新たなビジネス創出に関連するテーマについて解説している。
- デジタルビジネス開発の加速
- Web3.0による新規ビジネス/サービスの創生
- クラウドネイティブアプリケーションによるDX推進
- パーソナルデータの保護と活用を両立するプライバシーガバナンスの強化
ITRは「多くの企業がDXを推進しているが、その取り組みは間接業務のシステム化や効率化など、業務改善レベルの施策にとどまっている」と指摘している。
次世代ビジネス基盤へのシフト
データ活用や運用自動化、「ゼロトラスト」など、企業の基盤に関するテーマについて解説している。
- デジタル経営基盤の構築
- データサイエンスの民主化と自動化
- システム運用自動化とAIOps(Artificial Intelligence for IT Operations)化
- ゼロトラストセキュリティへの進化の加速
データサイエンスの民主化と自動化についてITRは「ビッグデータ活用の基盤となるデータレイクが、データサイエンティストの不足や一般ユーザーのスキル不足によって十分に活用されていない。シチズンデータサイエンティストの育成と、拡張分析による分析工程の自動化によって、ビッグデータ活用の定着化と全社展開を目指すべきだ」としている。
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