エンジニアがゾンビになる日
エンジニアは、実に楽しく刺激的な仕事だ。
ソフトウェアエンジニアの仕事は、他人の問題を解決する方法(How)を提供することだ。クライアントが持つ課題を解決したい意思(Will)を、エンジニアはエレガントに解決し、その方法を極めていく。
だがそれは、エンジニアにとって落とし穴でもある。
知り合いの社長からこんな話を聞いた。コロナ禍で受託開発の案件が少なくなった。しかし資金には余裕があったので、「好きなプロダクトを開発していい」と社員のエンジニアたちに言った。しかしエンジニアたちからは「何を作ったらいいのか指示してください」という答えが返ってきたというのだ。
これは、トップの指示が曖昧であったともいえる。しかし見方を変えると、エンジニアたちには自分が解決したい課題がなかったことを示している。エンジニアを長く続けると、意思を失う。エンジニアと営業や企画との分業化が進むと、言われた通りに動くエンジニアはゾンビになる。
エンジニアとして誠実であるが故に
エンジニアがゾンビになっていってしまう背景は実に簡単だ。エンジニアたちは、「何(WHAT)」を「どう(HOW)」解決するかを考えている。そこには「なぜ(WHY)」それを行うのかという視点が抜け落ちている。
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