連載
ローコード/ノーコード開発のメリット/デメリットを把握しよう:ビジネスパーソンのためのIT用語基礎解説
IT用語の基礎の基礎を、初学者や非エンジニアにも分かりやすく解説する本連載、第5回は「ローコード/ノーコード開発」です。ITエンジニアの自学用、エンジニアと協業する業務部門の仲間や経営層への解説用にご活用ください。
1 ローコード/ノーコード開発とは
ローコードとは、高度なコーディング知識や経験を必要とせず、GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)と最小限のコーディングでアプリケーションを開発する手法やそのプラットフォームのことです。一方ノーコードは、コーディングを行わず全てGUIでアプリケーションを開発する手法やそのプラットフォームのことをいいます。
ローコード/ノーコードの開発環境では、一般的なアプリケーションが持つ機能を部品化し、それらを画面上で組み合わせることで、直感的なアプリケーション開発を実現しています。非ITエンジニアであってもアプリケーションを開発でき、ビジネスアイデアを手軽に実現できるツールとして現在世界的に注目されています。
2 流行の背景
ローコード/ノーコード開発は近年急速に開発プラットフォームが増えていますが、考え方や技術自体は古くから存在しており、決して新しいものではありません。現在の日本における流行の一因として、経済産業省がDXレポートで警告した「2025年の崖」(※1)をきっかけとした、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が挙げられます。
※1 2025年の崖とは、日本企業のDXが推進されない場合、企業の競争力が低下し2025年以降に最大で12兆円もの経済的損失が発生するとした経済産業省のレポート内の言葉。
日本におけるITエンジニア不足と、ユーザー企業における内製化(※2)の推進などが、ローコード/ノーコード開発がもたらす恩恵とマッチしたことによりここまで流行したものと考えられます。
※2 内製化とは、外部に委託している業務を自社の社員や設備で実施すること。ノウハウの蓄積や、業務変更などに迅速に対応できるメリットがある。
3 メリット/デメリット
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ローコード/ノーコードセントラル
- 「RPAやローコード/ノーコード開発をいかに進めるかが重要」 ベンダーや販社、SIerに向けてノークリサーチが提言
ノークリサーチは、中堅中小企業に向けてIT活用を提案するに当たって、IT企業が留意すべきポイントを発表した。直近の課題解決とDXの観点から既存業務システムの改善を提案する必要があるとしている - ローコード/ノーコード導入済み企業が実感した利点と課題 うわさ通りに簡単なのは?
ノークリサーチは中堅、中小企業が考えるローコード/ノーコード開発ツールの利点や課題に関する調査結果を発表した。それによると年商が大きい企業ほど「ユーザーの都合に合わせて修正できること」をメリットと考えていることが分かった - ローコード/ノーコード市場の急拡大で開発者の仕事はどうなる?
IDCによると、ローコード、ノーコード、インテリジェント開発技術(LCNCIDT)の世界売上高は2026年には210億ドルに伸び、2021〜2026年の年平均成長率(CAGR)は17.8%になる見通しだ - ローコード/ノーコード開発ツールの市場シェア調査 「既存システムの機能追加」「レガシー移行」に適した製品は?
ノークリサーチは、中堅・中小企業を対象に実施したローコード/ノーコード開発ツールに関する調査結果を発表した。それによると特定のツールに集中することなく、用途や企業規模などによってそれぞれ異なるツールを導入していることが分かった