「支援サービスを使った内製化」で成果を得る企業が増えている IDC:国内デジタルビジネス支援サービスの需要の調査結果を発表
IDC Japanは、企業のDXやDBを支援するITサービスとビジネスサービスの需要に関する調査結果を発表した。率先してDXやDBに取り組む企業が内製化する主な目的は、セキュリティの確保とケイパビリティ向上であることが分かった。
IDC Japanは2023年3月22日、企業の「DX/DB」(デジタルトランスフォーメーション/デジタルビジネス)を支援する、ITサービスとビジネスサービスの需要に関する調査結果を発表した。
これは従業員1000人以上の国内企業でDX/DBイニシアチブ(推進)に従事する管理層や経営層を対象に、DX/DBの進行状況や、各種支援サービスの利用状況、開発内製化の実践状況などについて調査したもの。
内製化の主目的はケイパビリティ強化
調査結果によると、DX/DB推進において大企業の8割以上が何らかの支援サービスを利用していることが分かった。また、今後1年間で支援サービスへの支出額が「増える」と回答した企業の割合は61.5%、「変わらない」は33.6%だった。IDC Japanは「支援サービスへの高い需要が今後も継続する」とみている。
DX/DBの取り組みとしてアプリケーション開発の内製化を進める企業もある。内製化への取り組み状況に関しては「(内製化を)実践している」と回答した企業が73%を占めた。その主な目的は、「セキュリティの確保」が最も高く、32.9%。次いで「人材育成」(32.0%)、「開発ノウハウの蓄積」(30.7%)など、ケイパビリティ(組織力)を強化する目的が多かった。
アプリケーション開発やSI(システムインテグレーション)支援などのサービス利用率は、内製化を実践している企業の方が高かった。さらに、内製化によって成果が出ている企業ほど支援サービスの利用率が高い傾向にあった。
この結果についてIDC Japanは「DX/DBイニシアチブで内製化に取り組む企業は、自社ビジネスの継続的な変革に向けて、多様な支援サービスを活用しながらケイパビリティの強化を図るとともに、DX/DBの成果を出している」と分析している。
IDC Japanの村松 大氏(Software & Services マーケットアナリスト)は、「開発内製化で成果を得るためには、業務や組織の変革、人材育成など“ビジネス変革”の支援と、開発の内製化を含めた“技術変革支援”の両方が必要とされており、支援サービスベンダーにとってもビジネスの機会になるだろう」と述べている。
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