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Microsoft、「.NET Upgrade Assistant」の新バージョンをリリース 旧アプリを最新版にアップグレード.NET MAUIとAzure Functionsに対応

Microsoftは、.NET Framework上で実行されているアプリケーションを最新の.NETに移行を支援する「.NET Upgrade Assistant」の最新バージョンをリリースした。

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 Microsoftは2023年5月2日(米国時間)、「.NET Upgrade Assistant」の新バージョンをリリースしたと発表した。.NET Upgrade Assistantは.NET Framework上で実行されているアプリケーションをXamarin FormsやUWP(Universal Windows Platform)などの古いプラットフォームから最新の.NETにアップグレードし、移行をサポートするツールだ。

 2023年2月にリリースされたVisual Studioの拡張機能に続き、.NET Upgrade Assistantの新バージョンでは多くの改善と新機能が追加された。

新バージョンの主要な改善点

.NET 8への対応

 以前のUpgrade Assistantのバージョンでは.NET Coreやそれ以降のバージョンから.NET 6、7、8へのアップグレードを選択した場合、対応するフレームワークのみをアップグレードしていた。新バージョンではアプリケーションが参照している全てのパッケージを.NETに対応するパッケージセットにアップグレードできるようになった。さらに、Previewアップグレードをサポートし、以前のPreviewバージョンから最新のPreviewバージョンにアップグレードできる

Xamarin.Formsから.NET MAUIへのアップグレード

 既存のXamarin.Formsアプリケーションを.NET MAUIにアップグレードできるようになった。.NET MAUI(Multi-platform App UI)の利点と主な改善点は次の通り。

  • 単一プロジェクトで資産やNuGet管理を簡素化し、マルチターゲティングを活用できる
  • デスクトップやタブレットのシナリオでのマルチウィンドウサポート
  • Xamarin.Formsに存在する多くの不具合を修正し、保守性とパフォーマンスを向上させたレイアウト
  • 共通の.NETパターンを使用してアプリの起動処理を統一するApp Builder
  • クロスプラットフォームコントロールからプラットフォームを分離

 Microsoftは、Xamarin.Formsアプリを.NET MAUIにアップグレードする手順も解説している。

  1. Visual Studioのソリューションエクスプローラーでプロジェクトの一つを右クリックし、アップグレードを選択する
  2. Upgrade Assistantのメインページが表示される。オリジナルのプロジェクトをアップグレードしたい場合は、「In place」を選択し、元のプロジェクトを変更しないまま新しいMAUIプロジェクトを作成したい場合は「Side-by-side」を選択する
  3. アップグレード手順に従って進む。プロジェクトの一部を段階的にアップグレードする理由がない限り、ツールが提案するチェックボックスに全てチェックを入れる
  4. ソリューション内の全プロジェクトに対して同じ手順を繰り返す
  5. これでアップグレードが完了する。プロジェクトファイルが変更され、参照が更新され、他の必要な変更が行われている。アプリケーションをビルドして実行し、エラーがある場合は、手動で修正する必要がある

Azure Functionsのアップグレード

 Azure Functionsは、インフラストラクチャのプロビジョニングや管理をせずにコードを実行できるサーバレスプラットフォームだ。Azure Functionsには4つの主要なバージョンがある。各バージョンの機能と特徴は以下の通り。

Azure Functionsの各バージョンの機能と特徴
Azure Functionsの各バージョンの機能と特徴

 Azure Functionsプロジェクトのアップグレード方法は、他のプロジェクトと同様、ソリューションエクスプローラーでプロジェクトを選択し、[Upgrade]をクリック。以下、アップグレード手順に従って進める。最新の.NETバージョンとAzure Functionsバージョンを対象とするため、プロジェクトファイルの更新に加えて、関数の本体も新しいAPIを使用するように更新される。

 この他、開発者の要望に応える形で以下の改善が実施されている。

  • NuGetパッケージのアップデート方法を改善した
  • 段階的なアップグレードを実行するためにYARP 2.0にアップグレードした
  • エラー処理の改善:失敗と警告が各プロジェクトコンポーネントの進捗(しんちょく)ビューで確認できる
  • .NET Upgrade Assistantを実行するために必要なインフラの改善によりパフォーマンスとアップグレードの質が全体的に向上した
  • System.Webを使用しているSDKスタイルのプロジェクトをサポートした
  • WinForms:古いバージョンでサポートされていないAPIに対する処理を追加した
  • ASP.NET:プロジェクトのアップグレード時に行われる内部的な処理や手順を改善した

 今後はアップグレードの品質向上、ツールの安定化、既存のバグの修正、フィードバックの対応に注力する。また、Visual Studio 拡張機能と同じエンジンと通信できるように、既存のCLIツールの更新にも取り組む予定だ。

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