医者にもなれる成績だったけどプログラマーを目指した。それが海外に出る近道だったから:Go AbekawaのGo Global!〜Hsu Myat Thida(前)(3/3 ページ)
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回はエアリテックでシステムエンジニアとして働く、Hsu Myat Thida(ス・ミャッ・ティダ)さんにお話を伺う。小さいころから「納得」を重視していたスさんは、なぜITの道を志したのか。
スキルを最大限生かすために海外へ
阿部川 どうして日本だったんですか? シンガポール国内で転職するとか、ミャンマーで働くなどの選択肢もあったと思うのですが。
スさん 私、ミャンマーで働くことは考えていなかったんです。海外に行きたかったので。ミャンマーが嫌いだからではありませんよ。私が持っているスキルは、働く場所によって給料が変わります。ミャンマーでは“1”の給料だけど、日本に行くと“10”になるといったことがあります。スキルも仕事の内容もそれほど変わらない、となれば私じゃなくても海外を目指すと思います。
もちろん、海外でチャレンジをしたいという気持ちもありました。ミャンマーでは親と一緒に住んでいたので、海外に行って自分1人でどこまでどれぐらいできるかを知りたかった。それも大切な理由です。
阿部川 いきなり1人になって寂しくなかったですか。
スさん 全然、寂しくないですね。誰も私が初めて海外に来たということも知らないぐらい、楽しんでいました。
阿部川 自由ですしね、
スさん そう、自由。自分がやっているものごとや過ごし方。全ては全部自分で決めたもので、他の人から「こうしてね」と言われたものではないので。
私のお母さんはいつも「自分がやっていたことが悪い状況になっても、他の人のせいにしないで」と言っていました。人に言われてやったことだったら、「この人に言われたから」と他の人を責めてしまう。だから、自分で決めて、悪いことも良いことも、自分で褒めたり責めたりするといったことを心掛けてきました。
阿部川 素晴らしいお母さまの教育ですね。ご自身で決めたんだから、良くも悪くも自分で全部引き受ける、素晴らしいことですね。
なぜそうなるのか、なぜ必要なのか。エンジニアとして重要な「背景を捉える力」をスさんは幼いころから持っていた。就職してもそれは変わらず、「他の会社はどうなのか」とシンガポールにひとっ跳び。新しいことにどんどん挑戦する同氏の次のターゲットは? 後編は日本でのお仕事と将来の夢について。
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