AWS、1億ドルを投資した生成AI支援プログラム「AWS Generative AI Innovation Center」を開始:顧客とAWS専門家、パートナー企業をつなぐ生成AI戦略
AWSは1億ドルを投資し、AWS Generative AI Innovation Centerプログラムを開始した。これは顧客の生成AIソリューションの構築と導入支援を目的としており、AWSのML、AI分野のエキスパート、パートナー企業とともに顧客を支援する。
Amazon Web Services(AWS)は2023年6月23日(米国時間)、顧客が生成AI(人工知能)ソリューションの構築と導入を支援する新しいプログラム「AWS Generative AI Innovation Center」を発表した。
AWSはこのプログラムに1億ドルを投資し、AWSのAIおよび機械学習(ML)のエキスパートと世界中の顧客をつなぎ、新しい生成AI製品、サービス、プロセスの構想、設計、発売を支援する。このプログラムはAWSが過去25年以上、顧客向けのAIテクノロジーの開発に多大な投資を行ってきた蓄積を元に計画されたもので、AWSにとってはAIテクノロジーを世界中の顧客やパートナーに提供するという全体的な生成AI戦略の一部でもある。
Generative AI Innovation Centerの開始
AWSのセールスマーケティング兼グローバルサービス担当シニアバイスプレジデントのマット・ガーマン氏は次のように述べている。
「Amazonには25年以上のAI経験の蓄積があり、10万人を超える顧客がAWSのAIやMLサービスを通してビジネスの機会を得て、課題を解決してきた。現在、世界中の顧客が求めているのは、生成AIを迅速かつ安全に使うためのガイダンスだ。AWS Generative AI Innovation Centerは、専門家チームの支援により、企業が生成AI技術の可能性を活用できるようにすることを目指している。さらに、パートナーのグローバルコミュニティーと協力し、さまざまな業界の組織が生成AIのメリットを最大限に活用できるよう支援する」
AWS Generative AI Innovation Centerチームはストラテジスト、データサイエンティスト、エンジニア、ソリューションアーキテクトで構成されている。チームは顧客と各ステップで協力し、生成AIの力を活用するオーダーメイドのソリューションを構築する。例えば、ヘルスケアおよびライフサイエンス企業であれば、医薬品の研究と発見を加速する方法を追求できる。また、メーカーであれば工業デザインとプロセスを再発明するソリューションを構築できる。金融サービス企業の場合であれば顧客によりパーソナライズされた情報やアドバイスを提供する方法を開発できる。
加えてAWSは、技術上やビジネス上の課題を解決するために、さまざまなワークショップ、エンゲージメント、トレーニングを提供する。生成AIのエキスパートと密接に連携することで、顧客は適切なモデルを選択し、概念実証を開発し、スケーラブルなソリューションを計画することが可能になる。AWS Generative AI Innovation Centerチームは、生成AIを責任をもって適用し、機械学習の運用を最適化してコストを削減するためのベストプラクティスに向けたガイダンスを提供する。
AWSの生成AIサービスに含まれる主なもの
- 「Amazon CodeWhisperer」などのAWS生成AIサービスを使用するのに役立つ戦略、ツール、支援
- 「Amazon Bedrock」(AI21 Labs、Anthropic、Stability AIの基礎モデルと『Amazon Titan』をAPI経由でアクセスできるようにするフルマネージドサービス)
- 「AWS Inferentia」を搭載したAmazon EC2 Inf1インスタンス
- 「AWS Trainium」を搭載したAmazon EC2 Trn1インスタンス
- NVIDIA H100 TensorコアGPUを搭載したAmazon EC2 P5インスタンス
- 「Amazon SageMaker」を使用した独自のモデルを構築、トレーニング、デプロイ
- 「Amazon SageMaker Jumpstart」
- Cohereの大規模言語モデル
- Technology Innovation Instituteの「Falcon 40B」
- Hugging Faceの「BLOOM」
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