「開発のリクエストに全て対応できる」は22% 今後増加するビジネス需要にIT部門はどのように対応すべきか:58%がローコード/ノーコード開発ツールを採用
セールスフォース・ジャパンは「IT最新事情(第3版)」を発表した。それによると、自社でAIの役割が明確に定義されていると回答した日本のITリーダーの割合は60%。近い将来、生成AIが自社で大きな役割を担うようになると考えているITリーダーの割合は78%だった。
セールスフォース・ジャパンは2023年9月20日、「IT最新事情(第3版)」を発表した。これは世界28カ国のITリーダーを対象に実施した調査結果をまとめたもので、アプリケーション開発へのアプローチの転換や、ITサービスの需要と供給のギャップの拡大、自動化とAI(人工知能)による変革の影響などに焦点を当てている。
73%は「今後1年半の間にビジネスの需要が増加するだろう」と予測
調査結果によると「自社でAIの役割が明確に定義されている」と回答した日本のITリーダーの割合は60%。「近い将来、生成AIが自社で大きな役割を担うようになる」と考えているITリーダーの割合は78%だった。ただし、63%が生成AIについて倫理的な懸念を示しており、取り組みは慎重に進むとみられている。
日本のIT部門に対する要求は拡大しており、すでに59%が「対応に苦慮している」と回答している。73%は「今後1年半の間にビジネスの需要が増加するだろう」と予測している。これに対処するために業務効率の向上に注力していると回答したITリーダーは84%に上った。
また、アプリケーション開発のリクエストも増加しているようだ。「アプリケーション開発のリクエストに全て対応できる」と回答した日本のIT部門はわずか22%だった。この課題を解決するため、58%がローコード/ノーコード開発ツールを採用しており、36%がコンポーザブルアーキテクチャを導入していた。
セキュリティについては、データ暗号化を導入している日本のIT部門の割合は49%、多要素認証を採用している割合は40%という調査結果が出ており、セールスフォース・ジャパンは「IT部門は全方位的なセキュリティ対策を導入している」と分析している。
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