「ChatGPTの研修」は必要か 236人の人事担当者に聞いた、研修する理由としない理由:最も大きな懸念は「機密情報の漏えいリスク」
WHITEは「2024年入社の新入社員研修の意識調査」の結果を発表した。新入社員向けにChatGPTの研修を予定している企業は約5割だった。
WHITEは2023年10月2日、「2024年入社の新入社員研修の意識調査」の結果を発表した。企業の人事部門で育成、研修関連の業務に従事する人(236人)を対象に、「ChatGPT」とどのように向き合っているかを調べた。それによると、2024年春に入社する新入社員向けにChatGPTに関連する研修を「予定している」と回答した企業の割合は50.8%、「検討中」は41.5%だった。
約46%が「機密情報の漏えいリスクがクリアになれば研修する」と回答
ChatGPTの研修をする理由を聞くと、「業務効率の向上」が最も多く、60.8%(複数回答、以下同)だった。次いで「これからの時代に必要なリテラシー」(60.0%)、「アウトプットの質向上」(59.2%)などが上位を占めた。
これに対して、ChatGPTの研修を「検討中」または「予定していない」と回答した理由を見ると、社内体制が新しい技術に追い付いていない状況がうかがえた。「機密情報の漏えいリスク」と「社内ルールやガイドラインの未整備」が37.1%で同率1位。他には「アウトプットされる情報の正確性」(34.5%)、「思考力、判断力が低下する」(28.4%)などが挙がった。
ChatGPTの研修を検討している企業に、どんな変化があれば研修するのか聞いたところ、「機密情報の漏えいリスクがクリア(されれば導入したい)」と回答した割合が最も多く、45.9%(複数回答、以下同)。次いで「予算がつけば導入したい」(41.8%)、「良いパートナー企業がいれば導入したい」(37.8%)が続いた。
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