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RISC-Vプロセッサ、2030年の出荷が170億個で世界市場のほぼ4分の1に年率50%近くのペースで増加、車載向けが最も急成長

Omdiaによると、RISC-Vプロセッサは2030年までに、世界市場のほぼ4分の1を占めるようになる見通しだ。

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 調査会社Omdiaは2024年5月16日(英国時間)、RISC-Vプロセッサが2030年までに、世界市場のほぼ4分の1を占めるようになるとの見通しを明らかにした。

 オープン標準の命令セットアーキテクチャ(ISA)であるRISC-Vは、産業分野で最も多く使用されていくが、車載向けの出荷が急速に成長すると予測されている。またAI(人工知能)の台頭も、RISC-Vの継続的な普及拡大に寄与しているという。

  RISC-Vはオープンソースライセンスであるため、誰でもこのアーキテクチャに基づくハードウェアを開発できる。設計ニーズに応じてRISC-V命令セットをカスタマイズすることも可能だ。初期のRISC-Vプロセッサは単純なマイクロコントローラーが多かったため、RISC-Vは長年、組み込み技術、特にIoTと関連が深い。Omdiaは、RISC-Vは2030年まで、この分野で注目すべき存在であり続けるだろうと予測している。

 だが、RISC-Vに関する近年の最も重要な進展は、この技術の用途が他のアプリケーション、例えば高度な計算とインテリジェンスを要求するものなどにも広がっていることだと、Omdiaは指摘している。

 「RISC-Vは、Armベースの製品がまだ開発、投入されていない新しい用途に採用するのが最も理にかなっている。AIが台頭し、ユースケースや機能が増えていることは、多くの新しい用途領域が現れていることを意味する。それらの領域全てにRISC-Vの可能性が広がっている」と、OmdiaのIoT担当シニアプリンシパルアナリスト、エドワード・ウィルフォード氏は述べている。

 「RISC-Vの成長は、AI、特にエッジAIの台頭と同時に進んでいる。これはこのISAに大きな機会をもたらす」(ウィルフォード氏)

 Omdiaは、2024〜2030年にRISC-Vプロセッサの出荷が年率50%近くのペースで増加し、2030年の出荷が170億個に達すると予測している。そのうち46%が産業向けだが、この間の出荷成長率が最も高いのは、車載向けとなる見通しだ。

 Omdiaは、車載向けRISC-Vプロセッサの出荷成長率を年率66%と予測している。「自動車業界では急速な変革が進んでおり、半導体はその変革のあらゆる要素に不可欠だ。RISC-Vには、自動車業界にとってユニークで望ましい側面がある。それはRISC-Vでは、ライセンスの対象となるISAでは不可能な形で、独自の設計を所有できることだ」(ウィルフォード氏)

 またOmdiaは、車載アプリケーションでのAIの使用も大幅に増加すると予測している。自律運転、高度運転支援システム(ADAS)、車載インフォテインメント(IVI)の各システムの機能を向上させるために、AIが利用されるからだ。

 「AIが多くのセグメントで、RISC-Vの普及の最大要因の一つとなるのは間違いない。RISC-Vの効率性と拡張性は、AI演算を実行するプロセッサの開発に比類なく適している」(ウィルフォード氏)


RISC-V AIプロセッサの出荷見通し(提供:Omdia)

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