ハイパーコンバージドシステムが再注目される「3つの理由」とは IDCが市場予測を発表:仮想化基盤に関する大きな変化も影響
IDC Japanは、国内ハイパーコンバージドシステム市場の予測を発表した。同市場の2023〜2028年の年間平均成長率を5.3%とみており、2028年の支出額を713億400万円と予測している。
IDC Japanは2024年9月3日、国内ハイパーコンバージドシステム市場の予測を発表した。同社は、同市場の2023〜2028年の年間平均成長率(CAGR)を5.3%とみており、2028年の支出額を713億400万円と予測する。
IT管理者の不足も導入を後押し
同市場が注目されている1つ目の理由は「IT管理者の不足への対応」だ。人材不足を賄うため、「ITインフラの運用と管理を効率化できる」「ビジネスニーズに対応する俊敏性と柔軟性を備えている」「迅速に、簡単に導入できる」「スモールスタート可能」「柔軟な拡張性」といったハイパーコンバージドシステムの利点が評価されている。
IDC Japanは同市場の成長は継続すると予測しているが、ライセンス体系やパートナー制度の変更などによって需要と供給の両面で「先行きが不透明な状況にある」とも指摘している。ハイパーコンバージドシステム導入の検討期間の長期化や延期が今後発生し、パブリッククラウドなどハイパーコンバージドシステム以外のソリューションへの移行が徐々に進むことによるマイナス要因が考えられるという。一方で、従来型仮想化基盤からの移行の増加や、ライセンス価格の上昇、代替ハイパーコンバージドシステムに対する需要の高まりといったプラス要因もある。これがハイパーコンバージドシステムが注目される2つ目の理由だ。
IDC Japanの宝出幸久氏(Infrastructure & Devices リサーチマネジャー)は3つ目の理由として「AI(人工知能)とクラウドへの対応」を挙げる。
「今後のデジタルインフラ戦略では、AI対応インフラの構築や、エッジを含むマルチクラウド/ハイブリッドクラウドの相互運用性を確保し、自律的に運用することが重要となる。ハイパーコンバージドシステムは、これらの要素を実現し、既存環境の段階的な刷新と新規ワークロードの迅速な展開を両立するソリューションとして、今後のデジタルインフラ戦略での重要な役割を担う」と分析している。
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