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2025年の企業ネットワークは「ワイヤレスの高度活用」と「電話の革新」に注目羽ばたけ!ネットワークエンジニア(85)(1/3 ページ)

2025年に企業ネットワークを進化させる要素として、5G、衛星通信、sXGPなど多様化する「ワイヤレスの高度活用」と、クラウドPBXと固定電話番号の柔軟な使い方で可能になった「電話の革新」について述べる。

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連載:羽ばたけ!ネットワークエンジニア

 2025年、企業ネットワークは何に焦点を当てて進化を目指すべきだろうか。筆者が関わっているネットワーク構築プロジェクトでの経験、2024年に取材した先進事例を踏まえると、「ワイヤレスの高度活用」と「電話の革新」になる。

企業ネットワークの動向

 企業ネットワークの動向を図1に示す。


図1 2025年版 企業ネットワークの動向

 2020年から2022年にかけて、企業ネットワークの目的はコロナ禍に対応するための「働き方改革」が最重要だった。従業員の90%以上が在宅勤務する企業も現れ、企業の本社や支社を接続する「イントラネット」はほぼ無意味になった。在宅勤務する従業員のトラフィックはリモートアクセス回線に集中して流れるが、イントラネットには流れないからだ。

 セキュリティを保ちつつ、大量のリモートアクセスをさばくことがデータ系ネットワークに求められた。トラフィックを効率的に扱うため、データセンターを経由せず端末や拠点から直接インターネット上のサービスにアクセスする「ローカルブレークアウト」が一般的になった。

 ローカルブレークアウトやセキュリティ強化のため、それまで遅々として導入が進まなかったSD-WAN、ゼロトラスト、SASE(セキュアアクセスサービスエッジ)の普及が一気に加速した。

 コロナ禍対応が落ち着いた2023年以降、企業ネットワークにはDX(デジタルトランスフォーメーション)の基盤としてより高い柔軟性や運用性が求められるようになった。DXの進展に伴い、さまざまなアプリケーションのトラフィックが急速に増えたからだ。トラフィックの増加に迅速/柔軟に対応でき、アプリケーションごとのトラフィック監視や制御が容易にできることが求められるようになった。

 キャリア5G、ローカル5G、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network:アイオン)といった超高速、超低遅延な新しい通信サービス、技術を生かし、これまでにない新サービスや用途を生み出すことも、企業ネットワークの重要な目的となっている。

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