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エンジニアはみんな「自分のプロジェクト」を持つべきGo AbekawaのGo Global! ビクトルさん from メキシコ(後編)(1/2 ページ)

「自分でやってみる」ことでしか、本当に学び、成長することはできません。

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 グローバルに活躍するエンジニアを紹介する連載「Go Global」。メキシコ編前編では、Victor Manuel(ビクトル・マニュエル、以下ビクトルさん)の幼少期から大学時代、そして初期のキャリアをたどった。

 PCとの出会いを機にエンジニアの道を志し、多岐にわたる経験を積んできた軌跡は、彼の「学び続ける」姿勢の原点であった。後編では、彼が日本への移住を決断したいきさつやキャリア哲学を伺う。


ビクトル・マニュエルさん Flutterの公式マスコット「Dash」と共に

メキシコシティ→仙台→東京

 ピクティアでの勤務中に日本への旅行を経験したことが、ビクトルさんの人生を大きく変えることとなった。端的にいえば、「恋をした」のである。

 この旅行の最中に、彼は現在の奥さまと出会う。その後彼女がメキシコへと渡り、結婚に至った。2人は通算8年ほどメキシコシティに住んだが、「日本の方が安全だし、プロフェッショナルな仕事の機会も多い」と考え、日本への移住を決断する。ビクトルさんが29歳のときのことである。

 来日当初は、奥さまの実家がある仙台でフリーランスとして仕事を始めた。

 その後、現在勤めるアンドエーアイに就職し、テレワークで働くようになる。このときは「Flutter」を用いて、旅行者向けのアプリケーションや、ヨガサービスを提供するジム向けのアプリケーションなど、SNS機能も備えたモバイルアプリの開発に従事した。これは、ビクトルさんがメキシコ時代に培ったモバイルアプリケーション開発の経験を日本で生かす最初の機会となった。

 しかし、彼の挑戦は止まらない。いったんアンドエーアイを退職し、上京してピアノ関連企業に転職したのである。

 この企業では、教師や生徒、リサイタル、演奏会といった多岐にわたるデータベースの保守管理、そしてUNIXを用いたネットワーク管理を開発部隊の一員として担当した。約3年間にわたり、同社の新しいアプリケーション開発やアーキテクチャの構築、バックエンドサービスの構築など、さまざまな領域の仕事に携わり、幅広い技術と経験を積んだ。この経験はビクトルさんのエンジニアとしての視野をさらに広げるものであった。

 そして2024年、ビクトルさんは、アンドエーアイに再度入社する。

 「より自分のスキルを高めたい」、そして「新しい分野にチャレンジしたい」という強い思いが、ビクトルさんの再入社を後押しした。現在の仕事について彼は「毎日多くのチャレンジがあり、自分の能力がどんどん高くなっていることが分かります」と語る。

 モバイルアプリケーション開発、ハードウェア関連業務、データベース構築、そしてそれらの連携といった、多様かつ複雑な業務に取り組んでいる。彼はこの複雑さについて、「大学を出て仕事を始めた時から、業務を他の人に教えるようなことをやってきましたから、簡単ではありませんが、それほど複雑とも思っていません」と語り、経験に裏打ちされた自信をのぞかせた。

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