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世界のサプライチェーンでAI導入が加速、8割の企業が動く理由とは ABI Research調査クラウド移行がAI導入を後押し

ABI Researchは、世界のサプライチェーン企業の80%以上が2026年中にAIを活用したシステム導入を予定していると発表した。需要予測や在庫管理、ネットワーク設計などの分野でAI導入が進み、クラウド活用も拡大しているという。

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 グローバル技術調査会社ABI Researchは2025年10月7日、企業のAI(人工知能)やクラウドの導入動向を分析したレポート「Supply Chain Survey 2025: Plans for Artificial Intelligence (AI) Use in Supply Chain Software and Supporting Cloud Infrastructure」(サプライチェーンソフトウェアおよびクラウドインフラにおけるAI活用計画)を発表した。それによると、調査対象となった企業のうち8割以上が、2025年中に何らかのAI技術を業務に活用する計画を持っていることが分かった。

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導入を急ぐ企業は何を目指すのか

 レポートによると、サプライチェーン分野においてAIを導入しようと考える企業が増えているという。その理由は需要予測、在庫管理、サプライチェーンネットワーク設計をAIを使って実装、または効率化するためだ。ABI Researchのライアン・ウィギン氏(シニアアナリスト)は「ネットワークの設計や最適化といった用途でのAI活用は進んでいたが、生成AIの登場によって、AIはデータ操作の直感的なインタフェースとして新たな役割を担い始めている」と述べている。

 AI導入を支えるため、企業のシステムをクラウドに移行する動きもあるようだ。レポートによると、回答者の約3分の2が「パブリッククラウドの導入を進めている」「既に導入している」と回答している。プライベートクラウドへの関心も高く、6割以上が「現在、検討中」「PoC(概念実証)の段階にある」と回答している。

 一方で、AIを高度に活用するには“データ分析能力”の整備が欠かせない。ここでいうデータ分析能力とは、AIを活用して将来を予測したり、最適な行動を導たりする分析手法「処方的分析」(Prescriptive Analytics)や「予測的分析」(Predictive Analytics)のことだ。レポートによるとこれらの分析手法を実行できる企業は全体の半数に満たなかった。

 これについてウィギン氏は「多くの企業でAI活用への意欲は高いが、実際の分析能力にはまだギャップがある。データ管理とAIモデルのカスタマイズが、AIエージェントの価値を引き出す上で極めて重要になるだろう」と述べている。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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