「Claude Code」がプラグインをサポート AIエージェントやツールをまとめて配布可能に:マーケットプレースの構築も可能に
Anthropicは、エージェント型コーディングツール「Claude Code」がプラグインでカスタマイズできるようになったと発表した。これによって「スラッシュコマンド」「サブエージェント」「MCPサーバ」「フック」など、機能拡張のための仕組みを一つのパッケージにまとめて共有できるようになるという。
Anthropicは2025年10月10日(米国時間)、エージェント型コーディングツール「Claude Code」がプラグインでカスタマイズできるようになったと発表した。同社は「ユーザーが作ったカスタマイズを“ひとまとめ”にして共有できる仕組みとしてプラグインを作った」と述べている。
パブリックβ版で提供開始、ターミナルとVS Codeに対応
ここで言うプラグインとは、以下のカスタム機能を自由に組み合わせてパッケージ化し、共有する軽量な手段のことだ。
- スラッシュコマンド:頻繁に使用する操作を素早く実行するショートカットを作成できる
- サブエージェント:特定のタスクに特化したAIエージェントを追加できる
- MCPサーバ:MCP(Model Context Protocol)を通じてツールやデータソースに接続できる
- フック:ワークフローの特定のポイントで「Claude Code」の動作をカスタマイズできる
プラグインは、現在パブリックβ版として提供されている「/plugin」コマンドを使用して、Claude Code内から直接インストールできる。ターミナルと「Visual Studio Code」(VS Code)で動作する。必要に応じてオン、オフを切り替えられるように設計されており、特定の機能が必要なときに有効化し、不要なときは無効化することで、システムプロンプトをシンプルに保つことができる。
プラグインのユースケース
Anthropicは、プラグインの一般的なユースケースとして以下を紹介している。
標準化の徹底
エンジニアリングリーダーがプラグインを使用して、特定のフックがコードレビューやテストのワークフローで実行されるようにすることで、チーム全体の一貫性を維持できる。
ユーザーのサポート
スラッシュコマンドを提供して、自分のパッケージやツールを利用する開発者が“正しい使い方”をできるようにサポートできる。
ワークフローの共有
デバッグ設定、デプロイ手順、テスト環境などの生産性向上ワークフローを構築している開発者が、それを他のメンバーと簡単に共有できる。
ツールとの連携
チームが内部ツールやデータソースとMCPサーバ経由で接続する必要がある場合、同じセキュリティ設定や構成ルールを使ったプラグインを活用すれば、スピーディーに導入できる。
カスタマイズの一括提供
フレームワーク作成者や技術リーダーが、複数のカスタマイズをまとめて特定のユースケース向けに配布できる。
プラグインマーケットプレースによるプラグインの共有
プラグインの共有をより簡単にするために、誰でもプラグインを作成、公開し、他の開発者が利用できる「プラグインマーケットプレース」を開設可能になった。
プラグインマーケットプレースはプラグインのカタログで、コミュニティー全体とプラグインを共有したり、社内で承認済みのプラグインを配布したり、共通の開発課題に対する既存の解決策を再利用したりできる。
プラグインマーケットプレースをホストするには、適切にフォーマットされた「.claude-plugin/marketplace.json」ファイルを含むGitリポジトリ、またはGitHubリポジトリ、またはURLを用意すればいい。マーケットプレースからプラグインを使用するには、「/plugin marketplace add user-or-org/repo-name」を実行し、「/plugin」メニューを使用してプラグインを閲覧、インストールする。
Anthropicによると、既に一部の開発者が独自のプラグインマーケットプレースを構築してDevOps自動化、ドキュメント生成、プロジェクト管理、テストスイートのプラグインを提供したり、自身のGitHubリポジトリで80以上の専門サブエージェントをキュレーションしてプラグイン経由で即座にアクセスできるようにしたりしているという。
同社は「まずは公式ドキュメントを確認して、プラグインの使い方、独自プラグインの開発方法、あるいはマーケットプレースの公開手順を学ぶのがいいだろう。プラグインの実例を見たい場合は、Claude Code開発チームが使っているマルチエージェントワークフローの例を確認してほしい」と述べている。
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