ITフリーランスの約4割が「年収1000万円は余裕で稼げる」と回答 高収入ならレガシー案件もいとわない:スキル向上よりも報酬や健康を重視
HajimariはITフリーランス600人を対象にした働き方意識調査の結果を発表した。年収1000万円達成を「余裕」とする回答が4割弱に達した一方、AIなど最新技術よりも報酬や身体のコンディションを重視する傾向が明らかになった。
フリーランスエンジニア向けIT案件・求人検索サイト「フリーランスジョブ」を運営するHajimariは2026年1月6日、ITフリーランス600人を対象に実施した「ITフリーランスの働き方や意識調査」の結果を発表した。
調査結果によると、「年収1000万円は余裕で稼げると思うか」という質問に対し、227人(37.8%)が「余裕(で稼げると思う)」と回答した。「余裕ではない」は373人(62.2%)だった。
フリーランスの年収1000万は、会社員の平均年収と同じ
Hajimariによると、フリーランスは会社員の平均年収の1.5倍から2倍稼がないと成り立たないという。その主な要因として、以下の5点が挙げられている。
- 社会保険の負担差:会社員は保険料の約半額を会社が負担するが、フリーランスは全額自己負担となるため、約1.2倍の売上が必要となる
- 退職金・企業年金の不在:将来への資産形成を全て自助努力で賄う必要があり、生涯で数百万から2000万円規模の差が生じる。これを補うため約1.1倍の収入が必要とされる
- 有給休暇・待機時間の違い:フリーランスは休むと即座に減収となり、営業活動などの事務作業は無給労働となる。実質11カ月程度の稼働となるため、約1.1倍の要因となる
- 賞与・福利厚生の不在:会社員にある賞与や手当が原則ないため、約1.05倍の売上が必要となる
- 契約終了のリスク:景気変動や外部環境の変化による契約終了リスクへの備えとして、約1.05倍の追加収入が必要とされる
「これらを掛け合わせると約1.5倍となり、フリーランスの売上1000万円は会社員の平均年収と大きな差がない」と、同社は結論付けている。
AIスキルよりも身体資本、環境よりも報酬を重視
二択形式で行われた意識調査では、ITフリーランスの現実的な志向が浮き彫りになった。「常時最新のAIスキルセット」と「いくら働いても疲れない体」の二択では、「いくら働いても疲れない体」を選んだ人が多数派となった。AI(人工知能)による効率化が進む中でも、自身の体力やコンディションを重視する傾向にある。
働く環境に関しては、「最新設備の整ったオフィスに出社」と「フルリモート」がほぼ拮抗する結果となった。一方、「報酬が高くて週5日出社」と「報酬は低いがフルリモート」の二択では、約6割が「報酬が高くて週5日出社」を選択した。また「最新技術が身につくが報酬は低い」と「レガシー案件だが報酬は高い」の二択では、63.7%が後者を選択した。
これらの結果から、環境や仕事内容、最新技術の習得よりも、報酬条件が意思決定に大きく影響していることが分かる。
将来設計は第一線よりもFIRE、時間の自由を優先
今後のキャリアや生活に関する調査では、「毎日忙しいが第一線で働いている生活」よりも「FIREできるが毎日が暇な生活」を選んだ人が57.3%で多数派となった。働き続けることよりも、金銭的な安心を確保したい志向がうかがえる。
また、「独身で時間を自由に使える生活」と「家庭を持って働く時間が制限される生活」の比較では、「独身で時間を自由に使える生活」が59%を占めた。Hajimariは「決して家庭を否定するものではなく、仕事や生活の選択肢が制限されない状態や、時間の自由度を確保することを重要な前提条件としている背景がある」と分析した上で、「ITフリーランス市場では月単価90万円以上の案件も珍しくなく『稼げる』選択肢ではあるものの、自己管理と自己投資の責任が大きく、合理的な判断を下しながら働く実態が明らかになった」と、結論付けている。
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