有隣堂が“高いVMware”をやめ、「面倒なHAクラスタ運用」さえもなくす その方法は?:Hyper-V移行だけじゃない新ITインフラの特徴とは
ライセンス体系の変更でVMware製品群の利用を見直す動きがある中、有隣堂は“脱VMware”を実現しつつ、HAクラスタ運用も不要にする新たなITインフラを構築した。コストも、運用管理の負荷も抑えた具体策とは。
書籍や文房具、雑貨を販売する有隣堂は、販売管理システムと会計システムのITインフラを見直した。これまで利用してきたVMware製品群から、Microsoftの仮想化技術「Hyper-V」に切り替えた。新ITインフラは2025年11月に本格稼働を開始した。
従来のITインフラでは、VMware製品群を利用した高可用性(HA:High Availability)クラスタ構成を採用していた。Broadcomによるライセンス体系の変更でVMware製品群のライセンスコストが高騰しており、その対処が課題となっていた。
HAクラスタを構成するために複数のサーバや共有ストレージ、管理サーバ、ネットワーク機器を組み合わせる必要があり、ITインフラの構成が複雑化していたことも悩みだった。障害が発生した際に原因を特定しにくく、運用管理の負荷が高まりやすかったからだ。
“高いVMware”と「面倒なHAクラスタ」をどう見直したのか
ハードウェアの更新時期を迎えたのを機に、有隣堂は販売管理/会計システムのITインフラを刷新した。VMware製品群からHyper-Vに移行すると同時に、可用性を確保しながらHAクラスタ運用も不要にしたという。どのように実現したのかを整理する。
新たなITインフラでは、従来のHAクラスタ構成を見直し、Penguin Solutionsの無停止サーバ「Stratus ztC Endurance」(以下、ztC Endurance)1台による構成(シングルサーバ構成)を採用した。共有ストレージを必要としないシンプルな構成にすることで、運用管理の負荷軽減を図った。
VMware製品群からHyper-Vに移行したことで、VMwareライセンスを不要にした。ztC EnduranceでHyper-Vを稼働させて、販売管理システムと会計システムを仮想マシンで運用する仕組みだ(図1、図2)。
可用性やシンプルさを重視してサーバを選定
新しいITインフラにおけるサーバとして、有隣堂がztC Enduranceを採用した理由の一つが高可用性だ。ztC Enduranceは障害の予兆を検出した場合に、OSやアプリケーションで実行中の処理を、待機側モジュールへと無停止かつ自動的に移動できる。この仕組みによって、システムを停止させることなく業務を継続できると同社は判断した。
構成のシンプルさも採用理由となった。ztC Enduranceは2つのコンピュートモジュールを内蔵して冗長化する一方、WindowsやHyper-Vには1台のサーバとして見える。これにより複雑なHAクラスタを自前で構成する必要がなくなることから、運用管理の負荷軽減につながると有隣堂は評価した。
約500項目のヘルスチェックに基づく遠隔監視サービスや、10年間の長期運用を前提としたサポートも採用理由となった。有隣堂は、特に10年間のサポートによって長期利用が可能になることから、システム更新の頻度を抑制でき、中長期的なコスト削減につながる点を評価したという。
Penguin Solutionsの日本法人であるペンギンソリューションズが、2026年6月3日に本事例を発表した。
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