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AIコーディングを「より速く省トークンに」 VS Codeチームが実証、“GPT-5.5向けプロンプト”の改善効果Microsoftが報告、“無駄な探索”を減らす実験(2/2 ページ)

Microsoftは、「Visual Studio Code」における「GPT-5.5」モデル向けシステムプロンプトのチューニング効果を、本番環境で実験、検証した結果を公式ブログで報告した。

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2週間のスコアカードが示した結果

 Microsoftは、品質(コードが定着するか)、レイテンシ(最初の編集がどれだけ速く行われるか)、効率(トークン数とツール呼び出し回数)という3つの観点から、処理AおよびB群のトラフィックについて、以下の指標を追跡した。

  • 10分後生存率(ユーザー別):モデルが生成したコードのうち、10分後もファイルに残っている文字の割合
  • コミット時生存率(ユーザー別):モデルが生成したコードのうち、gitコミットまで残った文字の割合 |
  • p50初回編集時間(ターン別):リクエストから、コードに最初の変更が反映されるまでの時間の中央値 |
  • p95初回編集時間(ターン別):個々のターンの中でこの初回編集時間が最も長い下位5%のケースの値
  • p50総トークン数(ユーザー別):1ユーザーが1日にモデルに対して読み書きする総トークン数の中央値
  • p95総トークン数(ターン別):個々のターンの中で最も負荷の高い上位5%のケースのトークン数
  • 平均ツール呼び出し回数(ターン別):エージェントがリクエスト1件当たりに実行するアクション(ファイルの読み込み、検索、ターミナルの実行、編集など)の数の平均

 Microsoftは、処理AおよびB群のトラフィックに関するこれらの指標の追跡結果を、対照群のベースラインと比較し、以下の表とグラフで示している。

指標 処理 A群(PRPT_SRCH) 処理 B群(PRPT_LRG)
10分後生存率 0.40%低い(統計的に有意ではない) 0.44%低い(統計的に有意)
コミット時生存率 0.48%低い(統計的に有意ではない) 0.68%高い(統計的に有意ではない)
p50初回編集時間 2.88%短い(2.0秒高速化、有意) 5.68%短い(3.9秒高速化、極めて有意)
p95初回編集時間 1.93%短い(統計的に有意ではない) 9.30%短い(38.8秒高速化、極めて有意)
p50総トークン数 2.54%少ない(統計的に有意ではない) 3.25%少ない(統計的に有意ではない)
P95総トークン数 5.19%(有意) 7.64%少ない(極めて有意)
平均ツール呼び出し回数 3.19%少ない(0.77回減少、有意) 8.54%少ない(2.04回減少、極めて有意)
処理AおよびB群が示した指標の対照群との比較
注:Microsoftは、処理AおよびB群の各指標について、p値を計算しており、p値が0.05未満の場合に統計的に有意、0.001未満の場合に極めて有意としている。
画像
処理AおよびB群が示した指標の対照群との比較:処理B群の方がA群よりも、対照群に対してレイテンシ、トークン数、ツール呼び出し回数が大幅に少ない(提供:Microsoft)

 Microsoftは、これらの比較結果の要点を以下のように説明している。

  • 品質

 ガードレール指標はおおむね健全だった。処理B群の10分後生存率、処理A群、処理B群のコミット時生存率は、対照群に対して有意な差がなかった。処理A群の10分後生存率は、対照群に対して有意に低かったが、p値は0.0493で、統計的有意性のしきい値0.05との差はごくわずかだ。

  • レイテンシ

 処理B群の初回編集時間は、対照群と比べて極めて有意な改善を示した。初回編集時間の中央値は5.68%(3.9秒)短縮され、下位5%では9.30%(38.8秒)短縮されている。処理A群も改善を示したが、効果はより弱かった。

  • トークン効率

 処理B群は対照群と比べて、最も負荷の高い上位5%のターンの総トークン数が7.64%減、平均ツール呼び出し回数も8.54%(2.04回)減となり、極めて有意な改善を達成した。処理A群もそれぞれ5.19%減、3.19%(0.77回)減だった。

処理B群に適用されたプロンプト再構成が新しいデフォルトに

 処理B群には、前述のように「<Before_the_first_edit>」および「<After_the_first_edit>」セクションによるプロンプトの広範な再構成が適用された。Microsoftは、明確なレイテンシ改善、負荷の高い上位5%の処理での有意なトークン削減、ツール呼び出しの減少、おおむね安定した品質ガードレールという点で、このプロンプト変更を高く評価し、VS CodeにおけるGPT-5.5のデフォルトシステムプロンプトに導入している。

 この変更は、モデルプロバイダーのフィードバックから導かれた検証可能な仮説に結び付いている。Microsoftは、これをオフラインおよび本番環境で検証、確認した今回の実験のように、モデルのリリース以降もプロバイダーとの連携に基づき、モデル、プロンプト、ツール、VS Codeのコーディングハーネスの全体にわたって、こうした改善を続けていくと述べている。

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