Google「Gemini 3.8 Flash」発表 プロンプト1つで3Dゲーム生成、価格据え置きで大規模モデルに迫る:数カ月かかる脆弱性特定が2時間「Gemini 3.8 Flash Cyber」も(2/2 ページ)
Googleは、「Gemini 3.8 Flash」と防衛特化の「Gemini 3.8 Flash Cyber」を発表した。3.7と同等の低価格を維持しながら、コーディングや推論、脆弱性検知/修正の性能を大幅に向上させた。
自律的な脆弱性検知とパッチ適用に特化した「Gemini 3.8 Flash Cyber」
セキュリティ特化型のGemini 3.8 Flash Cyberは、Flashシリーズの高速性と低運用コストを維持しながら、防衛側に優位性をもたらすよう調整された。
脆弱性検知の業界標準ベンチマーク「CyberGym」で、Gemini 3.8 Flash Cyberは前バージョンの3.5 Flash Cyberだけでなく、規模の大きいフロンティアモデルを上回る自律的な脆弱性検知スコアを記録した。
Googleは、20のプログラミング言語にまたがるコードベースから脆弱性を特定する社内ベンチマークでも評価を実施した。その結果、従来のモデルから進歩を示し、70%を超える検出成功率に達したとしている。
Gemini 3.8 Flash Cyberの開発において最も重視されたのが「自動パッチ適用(Automated patching)」機能だ。エクスプロイト(悪用コードの作成)よりも脆弱性の修正能力に重点を置いて開発が進められた。Collinear AIが運営するパッチ適用ベンチマーク「CWE-bench」で、Gemini 3.8 Flash Cyberはpass@1で47.2%を達成した。主要フロンティアモデルの記録した47.8%と同等の水準に位置しながら、低いコストで提供される。
Googleは社内システムのコード保護にGemini 3.8 Flash Cyberを投入し、成果を確認している。ブラウザ「Chrome」のセキュリティチームが実施した検証では、既存の大規模な商用モデルと比較して、Chromeの脆弱性で2.6倍多くの修正パッチを生成。Google Cloudの脆弱性調査チームは、通常なら調査と特定に数カ月を要する基幹的な脆弱性を、Gemini 3.8 Flash Cyberを活用して2時間足らずで特定したという。
安全性対策
Gemini 3.8 FlashはGoogleの「Frontier Safety Framework」に準拠し、CBRN(化学、生物、放射性物質、核)やサイバー攻撃への悪用を防ぐセーフガードを備えている。
Gemini 3.8 Flash Cyberは、防衛業務に必要な機能を提供するので、より柔軟な緩和策が設定されており、審査を通過した防衛組織にのみ提供される。
プロンプトインジェクション攻撃への耐性についても、AI評価組織Gray Swan AIのベンチマークにおいて改善を示しており、悪意ある指示によるモデルのハイジャック攻撃から保護されている。
提供環境
Gemini 3.8シリーズは同日より順次提供が開始されている。提供環境は以下の通りだ。
- 開発者向け:Google Antigravityや、Gemini APIを利用できるGoogle AI Studio、統合開発環境の「Android Studio」を通じて開発できる。UI(ユーザーインタフェース)生成ツール「Stitch」や「開発者向けドキュメント」も提供される
- エンタープライズ向け:法人向けプラットフォーム「Gemini Enterprise」からGemini 3.8 Flashにアクセスできる
- 一般ユーザー向け:「Google AI Pro」「Google AI Ultra」の有料サブスクリプションユーザー向けに、「Geminiアプリ」、Google検索の「AI Mode」、表計算ソフトウェア「Google Sheets」で提供される
- 防衛機関・重要インフラ向け:信頼された政府機関や重要インフラ事業者、ソフトウェア保守担当者を対象に、専用枠組み「Fairwind Program」を通じてGemini 3.8 Flash Cyberへの優先アクセス権が提供される
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