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情シスに「1日10〜15件の問い合わせ」 鉄建建設は根強い“電話文化”からどう脱却した?:既存のFAQでは解決できなかった課題

業務効率化を目指してDXを推進したところ、かえって情報システム部門への問い合わせが増えてしまった――。この状況を受け、鉄建建設は問い合わせを40%以上削減した。どのような方法を取ったのか。

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 業務効率化を目的に新しいITツールを導入しても、従業員が使い方を理解できなければ、情報システム部門への問い合わせが増えることになりかねない。全国に建設現場を持つ鉄建建設も、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進によって、こうした課題に直面した。

 同社は、従業員からの問い合わせ対応の在り方を見直し、本社への問い合わせ件数を40%以上削減した。既存のFAQやマニュアルを用意しても解決できなかった問題を、どのように克服したのか。

DXで問い合わせが増加、「情シスに1日10〜15件の電話」をどう脱却?

 AIナレッジデータプラットフォームを手掛けるHelpfeelは2026年10月6日、鉄建建設が問い合わせ方法の刷新に取り組んだ事例を発表した。

 鉄建建設は、JR東日本の鉄道関連施設をはじめ、土木・建築分野の工事を手掛ける総合建設会社だ。建設現場の生産性向上を目的にITツールの導入を進めてきたが、新しいシステムやデバイスを導入するたびに、操作方法などに関する問い合わせが増加。情報システム部には1日10〜15件もの電話が寄せられるようになった。

 問い合わせの一次受付を特定の担当者が担っていたため、対応が属人化していたことも問題だった。電話が入るたびに業務が中断され、IT機器の管理や新たなDX施策の推進にまとまった時間を確保できなくなっていた。

 鉄建建設は、以前から社内ポータルサイトにマニュアルやFAQ、質問フォームを用意していた。それでも、従業員が必要な情報を見つけられず、本社に電話して確認する習慣を変えられなかった。

RAG型AIチャットbotも検討、採用しなかった理由

 状況を改善するため、鉄建建設はAIナレッジ検索システム「Helpfeel」を導入した。製品選定の段階では、RAG(検索拡張生成)を利用したAIチャットbotも候補に挙がっていた。しかし、生成AIがもっともらしい誤った回答を出す「ハルシネーション」への懸念があったという。

 問い合わせ対応を減らすために導入したシステムが、誤った社内ルールや操作方法を提示すれば、かえって現場の混乱を招きかねない。そこで、ユーザーの検索意図を推測し、管理者が用意した情報へ誘導する仕組みを持つHelpfeelを選んだ。約2000人の従業員について、個別にアカウントを契約する必要がない料金体系も選定理由の一つだった。

 導入は建築部門と情報システム部の2部門から始め、将来的な全社展開を視野に入れた。まず取り組んだのが、社内ポータルサイトの「SharePoint」に分散していた情報の整理だ。PDF形式のマニュアルは重要な部分を切り出して記事化し、その他の情報は検索結果から該当ページに直接アクセスできるようにした。

 メールの設定方法やクラウドストレージの操作手順など、問い合わせが多かった基本的な内容もFAQとして整備した。従業員に利用してもらうための工夫も施した。社内ポータルサイトの目立つ場所に検索画面へのリンクを設置した他、全国の作業所にQRコード付きのポスターを掲示。会社支給のスマートフォンやタブレットからも簡単にアクセスできるようにした。

情シスへの問い合わせを40%以上削減
情シスへの問い合わせを40%以上削減(提供:Helpfeel)

検索しても「見つからなかった情報」を分析、問い合わせ40%以上削減

 導入後の運用で重視したのが、従業員が検索しても必要な情報を見つけられなかったケースの分析だ。鉄建建設では、Helpfeelの「no-strict-hit」という指標を確認している。これは、検索キーワードに対して厳密に一致するページが見つからなかった場合を示すものだ。

 この指標に該当したキーワードを分析し、従業員が求めている情報を把握。優先的にFAQを追加することで、検索しても解決できない状況を減らす取り組みを進めている。

 担当部署の管轄外の質問についても、適切な問い合わせ先を案内する記事を作成した。検索しても情報が見つからない経験を繰り返すと、従業員が検索システムを使わなくなる恐れがあるためだ。

 ポータルサイトのバナーやQRコードにパラメーターを設定し、従業員がどの経路から検索システムを利用しているのかも分析。検索結果だけでなく、検索システムへのアクセス経路も改善対象としている。

 こうした取り組みの結果、本社への問い合わせ件数は40%以上減少した。問い合わせがあった場合も、Helpfeelの該当記事のURLを共有することで、特定の担当者に頼らず対応できるようになったという。

本稿は、Helpfeelが2026年10月6日に公開したプレスリリースおよび同日に公開の導入事例を基に作成しました。


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