アプライアンスにOSSにXML、
激動の2009年のその先は?
2010/1/25
オープンソースは着々と開発中
さてオープンソースRDBMSに目を向けましょう。PostgreSQLは7月1日にPostgreSQL 8.4をリリースしました。現在は8.5に向けて開発が進んでいます。前回お伝えした通り、8.5ではストリーミングレプリケーションとホットスタンバイが実装される予定です。
MySQLの現時点での正式版(GA)は5.1ですが、次は5.5がマイルストーンリリースとなり鋭意開発中です。今後の予定としては、毎年恒例のイベントMySQL Conference & Expoが2010年4月12日から開催されることが決定しました。昨年は同イベント直前にオラクルのサン買収が発表になり、イベント期間中はその話題で持ちきりだったとか。今年のイベントが開催されるころには買収問題が落ち着いているといいですね。
XML DBに新顔登場組み込み向け「MISSION」
最後にXML DBです。NeoCoreXMSとCyber Luxeonを抱えるサイバーテックが国内のXML市場を独走中で、XML DBの普及啓発に力を入れています。一方、東芝ソリューションが6月1日に、テラバイト級のXML DBで検索に強いTX1 V3をリリースしました。
Database Watch 2009年7月版
XMLDBの夏、バージョンアップの夏
http://www.atmarkit.co.jp/fdb/rensai/dbwatch2009/dbwatch20097_01.html
ただそれ以外は目立った動きがなくてさみしいところでしたが、年末に新顔が登場しました。富士ソフトの組み込み向けネイティブXML DB「MISSION」です。これでネイティブのXML DBが1つ増えました。加えて組み込み向けというところが、これまでにはなくて特徴的です。情報家電や組み込み機器が増えている昨今、XML DBがこの分野で活躍してくれるかもしれません。
ところでMISSIONはXML DBでありながら、XQueryやXPathは非採用で、アクセスはAPIコールを使います。ちょっと斬新ですね。XQueryやXPathの採用については議論があるものの、組み込みのエンジニアからはAPIからのアクセスの方が要望が高いからだそうです。
2010年はNoSQLがブレイクするか?
やや飛躍しますが、従来の考えや手法にこだわらないというのも、今後の新しい動きと関係がありそうです。というのも、2009年から「NoSQL」というキーワードを見かけるようになってきました。
「NoSQL」とは従来のRDBMSではないものを指し、「No SQL」というよりは「Not Only SQL」という解釈が定着してきました。代表的なものには「Cassandra」や「Tokyo Tyrant」などが挙げられます。ほかにも多数あります。共通しているのはリレーショナルモデルではなく、Webアプリケーションでの利用を意識しており、軽量化が図られていることなどです。今後NoSQL分野のデータベースがどう発展していくか、興味深いところです。
2010年も着実にデータベースは進化していきそうですね。ではまた来月、お会いしましょう。過去記事もどうぞ!
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Index | |
アプライアンスにOSSにXML、激動の2009年を振り返る | |
Page 1 商用RDBMSは性能で勝負、器用さより力強さ Enterprise Managerとインメモリ・データベース製品の新版登場 オラクルのサン買収でMySQLはどうなるの? |
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Page 2 オープンソースは着々と開発中 XML DBに新顔登場組み込み向け「MISSION」 2010年はNoSQLがブレイクするか? |
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