JavaFXでデスクトップを遊ぶ「WidgetFX」


Java Storeや携帯でも使われる? WidgetFXとは


JavaFXでデスクトップを遊ぶ「WidgetFX」(前編)

小林 秀樹
2009/10/13

もはや常識? 「ウィジェット」って何だっけ?


今回の主な内容

もはや常識? 「ウィジェット」って何だっけ?
JavaFX製ウィジェット・エンジン「WidgetFX」とは

なにはともあれ、WidgetFXを試してみよう

Java Storeや携帯電話でも? WidgetFXのこれから

 ここ数年で一気に、「ウィジェット(もしくはガジェット」という言葉をよく耳に(目に)するようになりました。ウィジェットという言葉は、それが使われる文脈によっていくつかの意味を持ちますが、ここでは小さなアプリケーションとして動作するアクセサリーソフトの意味で用います。

 2009年現在、よく使われているウィジェットには、パソコンのデスクトップ上で動作するWindows Vista ガジェットMax OS X Dashboard ウィジェットGoogle デスクトップガジェットYahoo!ウィジェットなどがあります。また昨今、話題・人気を集めているアップルのiPhoneやグーグルのAndroidのようなモバイル端末上で動作するウィジェットもあります。

 今回はこの中でも特にデスクトップ・ウィジェットに着目し、JavaFX Scriptで開発されたデスクトップ・ウィジェット・プラットフォーム「WidgetFX」を紹介します。後編では、簡単なウィジェットを作るデモも紹介しますので、ぜひ読者の皆さんも一緒に作ってみてください。

図1 WidgetFXの使用例
図1 WidgetFXの使用例

JavaFX製ウィジェット・エンジン「WidgetFX」とは

 WidgetFXは、JavaFX Scriptで書かれたオープンソースのデスクトップ・ウィジェット・プラットフォームです。Stephen Chin氏とKeith Combs氏の2名によって開発されています。開発したウィジェットのコンテナとなるものです。

GlossitopeってJavaのデスクトップ・ウィジェット・プラットフォームがなかったっけ?

 以前は、「Glossitope」というJava製のデスクトップ・ウィジェット・プラットフォームが存在していましたが、現在は開発者のJoshua Marinacci氏が多忙という理由によりプロジェクトの活動は停止し、事実上終了した状態となっています。

 WidgetFXとGlossitopeの間に関係性はありませんが、Chin氏の「プロジェクトはまだ続いているのか?」というMarinacci氏へのメールでの質問に対し、Marinacci氏が「いいえ。Javaの代わりにJavaFXを使って君が新しく始めてみては?」という返答をしたことから、Chin氏によって立ち上げられたのがWidgetFXプロジェクトです。

WidgetFXの主な特徴5つ

 WidgetFXには、主に以下のような特徴があります。

  1. オープンソース(コンテナ部分)
    コンテナは修正BSDライセンスの下で配布されている。ただし、その上で動かすウィジェット自身には、商用のライセンスを用いて販売することも可能
  2. JavaFX Scriptによる開発
    ウィジェットは、JavaFX Scriptで開発する。またJavaFX Scriptで書かれたプログラムは最終的にJava VMの上で動作するので、Javaの標準APIを呼び出すことも、Javaで書かれたクラスを利用することもできる(※JavaFXについて詳しく知りたい読者は、「JavaFX テクノロジの概要」や記事「JavaFXでJava RIA開発はどれくらい変わるの?」をご参照ください)
  3. クロス・プラットフォーム
    現在公式にはWindows XP/VistaLinuxMac OS Xがサポートされている。しかし聞くところによると、Mac OS Xでの動作には若干の問題もあるようだ
  4. 1クリック・インストール
    WidgetFXではJava Web Startを使って配備・実行される。Java Web Start使うことでコンテナ/ウィジェットのインストールがとても簡単になり、プログラムが更新された場合も自動でアップデートされる(※Java Web Startについて詳しく知りたい読者は、記事「サンの夢を語れるのか?「Java Web Start」」をご参照ください)
  5. 強固なセキュリティ
    Javaのセキュリティ・モデルに従うので、ユーザーが信用しないウィジェットから、ネットワークやローカル・コンピューター上のリソースなどを保護できる

なにはともあれ、WidgetFXを試してみよう


まずは、Java SE 6 Update 10以上が必須

 WidgetFXを試すには、Java SE 6 Update 10以上がインストールされている必要があります。まだの方は、「Java SE ダウンロード」ページから入手してインストールしてください。ちなみに、筆者が2009年9月の原稿執筆時現在で使用している環境はWindows VistaのJava SE 6 Update 16です。

WidgetFXの入手

 それではWidgetFXを入手しましょう。WidgetFXポータルのトップ・ページにアクセスしてください。このページの右上にある国旗のアイコンをクリックすることで、表記の英語と日本語を切り替えられます。ページが表示されたら「Launch Dock」のリンクをクリックします。

図2 画面左「Launch Dock」のリンクをクリック
図2 画面左「Launch Dock」のリンクをクリック

 すると、Javaのランタイムが起動し、初回実行時は次の警告が表示されます。

図3 [警告 − セキュリティ]ダイアログ
図3 [警告 − セキュリティ]ダイアログ

 「この発行者からのコンテンツを常に信頼します」をチェックして実行ボタンを押します(※注意:証明書の有効期限が2008年9月3日から2009年9月3日までとなっており、2009年9月の原稿執筆時点では有効期限が切れていました)。

 これでデスクトップにWidgetFXのドックが表示されました。ドックには元から3個のウィジェットが付属しています。

図4 WidgetFXのドック
図4 WidgetFXのドック

 WidgetFXのウィジェットはドックからドラッグしてドックの外へ出すことができ、またドックへドラッグすることで再びドックの中に移動できます。次ページからは、付属のウィジェットから紹介していきます。

  1-2

 INDEX 「JavaFXでデスクトップを遊ぶ「WidgetFX」(前編)」
Page1
  もはや常識? 「ウィジェット」って何だっけ?
JavaFX製ウィジェット・エンジン「WidgetFX」とは
なにはともあれ、WidgetFXを試してみよう
  Page2
  Java Storeや携帯電話でも? WidgetFXのこれから


Java Solution全記事一覧



Java Agile フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Java Agile 記事ランキング

本日 月間