エンタープライズJava開発をより効率的で実践的なものに変えたのがSpringだ。本稿では、Spring、Spring Boot、Spring Frameworkのそれぞれの特徴と役割を説明する。
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「Spring」はエンタープライズJava開発を学術的なものではなく、より効率的で実践的なものに変えた存在だ。本稿ではSpringと「Spring Boot」「Spring Framework」について、それぞれの特徴を説明する。
Spring Frameworkは、「J2EE」(Java2 Platform Enterprise Edition)に代わるフレームワークとして2004年に誕生した。
Spring Frameworkは、依存関係の注入(DI)と制御の反転(IoC)コンテナを使用するという特徴を持つ。Javaコミュニティーは同フレームワークが登場後すぐに導入し、これを中心にさまざまなサブプロジェクトが構築されるようになった。
2024年時点では、Springが管理するプロジェクトは、以下を含め数十種類を超えている。
Spring Bootは、開発者が事前構成済みのSpringプロジェクト(任意の数のSpringプロジェクトを含む)を作成するのを支援する目的で構築された。つまり、Spring Bootはチームがアプリケーションを迅速に構築するのを支援する。
「Spring Initializr」や「Spring Tool Suite」などのツールを使用すると、開発者は次のようなオプションを選択するだけで、実用的なプロジェクトの骨組みを作成できる。
リストのチェックボックスをクリックして必要な依存関係を選択するだけで、適切なデフォルト設定と初期設定のセットを含むスタータープロジェクトがSpringにより作成される。これにより、開発者は構成の問題に悪戦苦闘して時間を無駄にすることなく、ソフトウェアを素早くビルドできる。
Spring Frameworkは多くのサブプロジェクトを生み出したシンプルなテクノロジーであり、Spring BootはSpringベースのアプリケーション開発速度を上げる自動構成ツールだ。では、Springとは何だろう。
Springは、Spring Frameworkの生みの親であるロッド・ジョンソン氏が名付けた名前にすぎない。Springは、全ての公式Springプロジェクト、Spring製品を構築するコミュニティー、Springプロジェクトに積極的に貢献する人々を総称する包括的な用語だ。
Springの商標を所有する会社は、SpringSourceからPivotal、VMware(現Broadcom)へと、長年にわたって何度も変わってきた。テクノロジーを管理する企業が変わっても、Springというブランド名は変わっていない。
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