第1回 仮想化とOSSが運用コスト削減に効く理由


株式会社野村総合研究所
田中 穣
首都圏コンピュータ技術者株式会社
工藤 一樹
青柳 隆
2009/3/17


VMware Infrastructure 3の構成と特徴


VMware Infrastructure 3とは

 「VMware Infrastructure 3」はヴイエムウェア社が提供しているサーバ向け仮想環境統合スイート製品です。VMware Infrastructure 3という単体の製品があるわけではなく、仮想環境を提供する個々の製品の組み合わせです。

 中心的な役割を果たす製品として、仮想マシンの「VMware ESX」と管理ツールの「VMware VirtualCenter」があります。ほかに管理者が利用するツールとして「VMware Infrastructure Client」、可用性を高める「VMware High Availability」、仮想マシンを動作させたまま移動させる「VMware VMotion」などがあります。

図2
図2 VMware Infrastructure 3の構成

関連リンク:
参考 ヴイエムウェア社のサイトの資料(PDF)
http://www.vmware.com/files/jp/pdf/vi_brochure.pdf

VMware ESXとは

 VMware Infrastructure 3の中で仮想化プラットフォーム(土台)を提供するのがVMware ESX(以下、ESX)です。

 ESXは、ハイパーバイザタイプの仮想化を実現します。ハイパーバイザタイプはホストOSを介さずに直接物理マシンで動作するので、オーバーヘッドが低く、信頼性も高いといわれています。ESXは物理マシンにOSとして直接インストールされ、その上で仮想マシンが動作します。

VMware VirtualCenterとは

 VirtualCenterはVMware Infrastructure 3全体を管理するサーバアプリケーションで、Windowsサーバへインストールします。別途ライセンスが必要になります。VirtualCenterがなくとも、ESXを個別に管理することは可能です。

 ただし、VirtualCenterを導入することによって、複数台のESXを統合管理することができます。多数のESXを管理するのであれば必要といえるでしょう。仮想マシンの複製やテンプレート作成など付加価値の高い機能を使用する場合にも、VirtualCenterが必要となります。VirtualCenterの利用によって、運用管理の手間を大幅に削減することができます。

VMware Infrastructure Clientとは

 VMware Infrastructure Client(VIクライアント)は、管理者がVMware Infrastructure 3を管理するためのツールです。Windowsのクライアントアプリケーションとしてインストールします。ライセンスはフリーです。

 VIクライアントは、ESXまたはVirtualCenterのどちらにも接続して利用できます。ただし機能制限があり、ESXへ接続した場合はVirtualCenterの機能(複製、テンプレート作成など)は利用できません。

 詳しい情報は下記の記事を参照してください。

関連記事:
参考 VMware Infrastructure 3の全体像
http://www.atmarkit.co.jp/fserver/articles/vmware/02/01.html

VMware Infrastructure 3製品群のインストール

 これも、詳細なインストール手順については以下の記事をご覧ください。

関連記事:
参考 VMware ESXのインストール
http://www.atmarkit.co.jp/fserver/articles/vmwaredep/04/01.html
参考 VMware VirtualCenterのインストール
http://www.atmarkit.co.jp/fserver/articles/vmwaredep/03/01.html
参考 VIクライアントのインストール
http://www.atmarkit.co.jp/fserver/articles/vmwaredep/05/01.html

2/3
次のページ

Index
RHEL+VMwareでTCO削減
 第1回 仮想化とOSSが運用コスト削減に効く理由
  Page 1
はじめに
運用コスト削減のポイント
  Page 2
VMware Infrastructure 3の構成と特徴
  Page 3
RHELの仮想マシンの作成
仮想マシンの複製

Linux Square全記事インデックス


 Linux Squareフォーラム サーバ構築・運用関連記事
連載:Heartbeatでかんたんクラスタリング(連載中)
オープンソースソフトウェアの「Heartbeat」を使ってHAクラスタを実現し、サービスを「落とさない」仕組みを実現します
特集:Apache 2.2でWebサイトをパフォーマンスアップ!
最新安定版Apache 2.2は、何が変わったのか? 最新のApacheを新機能の使い方とともに解説する
連載:実用 Apache 2.0運用・管理術(全8回)
本連載では、Apache 2.0の運用や管理方法を解説する。まず必須設定と基本的なセキュリティ対策を行い今後の運用に備える
連載:実用 BIND 9で作るDNSサーバ(全15回)
本連載では、BIND 9の構築/運用方法を解説していく。実際に役立つことを目的に、セキュリティや大規模運用などのテーマを取り上げていく
連載:実用qmailサーバ運用・管理術(全14回)
本連載を通して、qmailによるメールサーバの高度な構築・運用・管理術を紹介。SPAM対策やML管理からサーバでのウイルスチェックなどまで
特集:Samba 3.0の全貌 改訂版
Samba 3.0リリースから8カ月。ここであらためて、Samba 3.0系列の新機能、インストール方法、国際化の現状を解説する

MONOist組み込み開発フォーラムの中から、Linux関連記事を紹介します


Linux & OSS フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Linux & OSS 記事ランキング

本日 月間