Samba 3.0のインストールと国際化の現状Samba 3.0の全貌 改訂版(1)(1/3 ページ)

Samba 3.0.0のリリースから約8カ月が過ぎ、2.2.xからの移行も始まりつつある。ここであらためて、Samba 3.0系列の新機能や移行時の注意点を解説する。(編集局)

» 2004年05月19日 00時00分 公開

 Sambaの開発元であるSamba Teamは、現在Gerald(Jerry) Carter氏を中心に、安定版としてSamba 3.0系列の開発とリリースを続けています。Samba 3.0系列は、2003年9月24日にSamba 3.0.0がリリースされて以来、原稿執筆時点(2004年5月)ではSamba 3.0.3までバージョンアップし(編注)、バグ修正や細かい機能向上などが行われています。これに伴い、Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 3.0をはじめ、Samba 3.0系列を採用するディストリビューションも徐々に増えてきました。

編注:その後、本記事公開時点までにSamba 3.0.4がリリースされた。


 これまでSamba 2.2系列を使用していた方の中にも、Samba 3.0系列への移行を検討している方やすでに移行した方が増えていると思います。そこで、本記事ではSamba 3.0の全貌の改訂版として、Samba 3.0系列の特徴やSamba 2.2系列からの移行時の注意点について説明します。

Samba 3.0系列の新機能と変更点

 まずは、Samba 3.0系列で大きく追加・変更された機能について主なものをリストアップします。各機能の詳細については、後で設定方法とともに紹介します。

1.国際化(日本語対応)機能の変更
文字コード変換にiconv()を利用するように、実装が大幅に変更されました。これに伴って、パラメータにもかなりの変更が発生しています。

2. SWATの国際化
Samba日本語版の成果が同梱され、SWATが多国語対応となりました。

3.通信路上でのUnicodeサポート
直接意識する必要はありませんが、ネットワーク上の通信がWindows NT系OS()と同じUnicodeベース(UCS-2)で行われるようになっています。

注:Windows 2000/XP/Windows Server 2003など。以下同。


4.Active Directory参加機能
Kerberos認証のサポートにより、Windows 2000以降のOSと同様にActive Directoryへの参加が可能になっています。

5.Winbindの機能拡張
uidとgidとのマッピングテーブルをLDAPサーバで一元管理できるようになりました。

6.任意のグローバルグループのサポート
Sambaで構築したNTドメイン()で、任意のグローバルグループの作成が可能になりました。

注:ドメインコントローラがWindows NTやSambaで構成されたWindowsドメイン。以下同。


7.ドメイン間信頼関係
Sambaで構築したNTドメインで、明示的な片方向の信頼関係を構築可能になりました。

8.多様な認証データベースのサポート
従来のsmbpasswdファイルに加え、多様な認証方式を任意の順番で組み合わせて同時に使用することが可能になりました。

9.SMBセキュリティの拡張
SMB署名やセキュアチャネルの暗号化といった、Windows OSが備える多くのセキュリティ機能に対応しました。

10.管理コマンドの拡充
新規に追加されたnetコマンドを中心として、WindowsマシンやWindowsドメイン()をUNIX(特記しない場合はLinuxも含む。以下同)マシンのコマンドライン上から管理するための機能が大幅に拡充されています。

注:NTドメインとADドメイン(Windows 2000 Server以降のドメインコントローラで構成されたWindowsドメイン)の総称として用いる。以下同。


       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。