新たなユーザー体験をもたらすKDE 4.1(中編)
〜 KDEを彩るアプリケーションたち 〜
日本KDEユーザ会
2008/11/28
簡易ファイルマネージャ機能も備えた「Gwenview」
「Gwenview」は、KDE 4.1に搭載されているイメージビューアです。Gwenviewで表示できる画像フォーマットは、JPEGやPNGといったKDEでサポートされている画像フォーマットすべてです。静止画像だけでなく、アニメーションGIFやMNGを表示することも可能です。
画面4 イメージビューアGwenview |
Gwenviewには、簡単なファイルマネージャ機能が搭載されており、選択したディレクトリの下にあるすべての画像ファイルをプレビュー表示することが可能です。また、サイドバーに表示されているメニューから、画像ファイルをコピーしたり移動したりすることもできます。
Gwenviewでは、プレビュー表示している画像の倍率を変更することができます。また、1つの画像を選択し、倍率の変更や全画面表示をすることが可能です。イメージビューアに必須のスライドショー表示機能も持っています。加えて、画像を編集する最小限の機能もあり、画像を左右に回転したり、サイズを変更したりすることもできます。
Gwenviewは画像の表示に特化しているため、編集して楽しむことはできませんが、保有している写真などの画像を鑑賞するのにはうってつけのアプリケーションとなっています。
ドキュメントビューアに終わらない「Okular」
「Okular」は、KDE 4.1に搭載されているドキュメントビューアです。Okularでは、PDF、PostScript、DVI、TIFF、OpenDocumentフォーマットなど、さまざまなフォーマットのドキュメントを表示することができます。PostScriptについては、PDFとしてインポートするという機能もあります。
画面5 OkularでOpenDocumentフォーマットのファイルを開いた様子 |
Okularでは、表示したドキュメントに対して注釈を付けることができます。ドキュメントを読んだ際に気になったことや関連情報をメモとして張り付けられます。また、重要だと思った部分にマーカーやアンダーラインを引くことも可能です。
さらに、Okularで表示したドキュメントのページをブックマークとして記録しておき、ブックマークメニューから自由にそのページを開くことができます。この機能は、複数のドキュメントを読んで学習や調査を行うときに便利です。
このように、Okularはただのドキュメントビューアに終わらず、さまざまなドキュメントの参照が必要となるような実務においても使える機能を備えたものになっています。
デスクトップに地球儀を、「Marble」
最後にもう1つ、変わったアプリケーションを紹介します。リリースアナウンスにも紹介されていますが、KDE 4.1では、Google Earthに似た地球儀アプリケーション「Marble」が提供されています。
画面6 Marbleのデフォルトモード表示 |
Marbleでは、マウスを使って地球儀を回転させることや、表示の倍率を変更することができ、好きな国や地域を表示できます。また、表示されている都市の名前を選択することで、登録されている都市の情報に加えて、Wikipediaに掲載されているその都市に関する情報を見ることができます。言語設定の機能があるため、日本語環境で利用している場合には、日本語のWikipediaの情報を見ることができます。
画面7 MarbleのOpenStreetMapモード |
またMarbleには、「OpenStreetMap」というフリーの地理情報データの作成を目的としたプロジェクトによって提供されている、フリーの地図を表示する機能も搭載されています。サイドバーの「地図の種類」をクリックして表示されるリストから、OpenStreetMapを選択することで見ることができます。なおOpenStreetMapの詳細については、OpenStreetMapのプロジェクトサイトやOpenStreetMap Japanのサイトを参照してください。
Marbleはまだまだ発展途上ですが、さまざまな可能性を秘めているアプリケーションです。今後、OpenStreetMapの発展とともに、KDEユーザーにとって貴重な地図アプリケーションになる可能性もあります。ぜひ一度使ってみてください。
◆
今回は、KDE 4.1に搭載されている主なアプリケーションをご紹介しました。KDE 4.1には、マルチメディア関係など、このほかにも多くのアプリケーションが含まれています。興味を引くものが見つかったならば、ぜひ試してみてください。
次回の後編では、前編で紹介したPlasmaなどのユーザー体験、今回の中編で紹介したアプリケーションを実際に体験いただくために、KDE 4.1のインストールや設定方法について説明する予定です。
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