新たなユーザー体験をもたらすKDE 4.1(後編)
〜 KDE 4.1を使ってみよう 〜
約5年を掛けて開発されてきたKDEの最新バージョン「KDE 4.1」では、内部的なアーキテクチャだけでなく、ユーザー体験を大きく改善するさまざまな機能が加わっています。(編集部) |
日本KDEユーザ会
2009/1/27
前編ではKDE 4.1のユーザー体験の変化、中編ではKDE 4.1の主要アプリケーションを紹介しました。
今回は、実際にKDE 4.1を使っていただくために、KDEをサポートしている主要ディストリビューションごとに、KDE 4.1のインストール方法と設定方法について紹介します。そして最後に、2009年1月末にリリースが予定されているKDE 4.2についても簡単に紹介しましょう。
編注:2009年1月27日、当初の予定通り、KDE 4.2がリリースされました。バージョンアップの内容はリリースノートを参照してください。 |
KDE 4.1のインストール
KDE 4.0からソースコードをビルドする方法が変わりました。以前は、いわゆるAutotoolsが利用されていましたが、CMakeというツールを使ってビルドするよう変更されています。
また、KDE 4.1が利用するほかのツールもずいぶんと増えています。そのため、KDE 4.1は、できるだけパッケージを利用してインストールすることをお勧めします。
ここでは、KDEの公式サイトにも紹介されているFedora、openSUSE、Ubuntu/Kubuntuにて、パッケージをインストールしてKDE 4.1を利用する手順を紹介します。ソースコードからのインストール方法は、コラムで後述します。
■Fedora
2008年11月25日にリリースされたFedora 10では、KDE 4.1.2がプリインストールされています。Fedora 9では、kde-redhatプロジェクトがKDE 4.1.3のパッケージを公開しており、こちらを利用できます。ここでは、Fedora 9のKDE 4.1.3を利用する方法をご紹介します。
まず、Fedora 9でRPMパッケージをインストールするには、GPGキーをインポートする必要があります。インポートしたGPGキーは、インストールするRPMパッケージの改ざんが行われていないことを確認するために利用されます。手動でGPGキーをインポートする場合は、コンソールで以下のコマンドを実行します。
$ su - |
次に、RPMのリポジトリ情報をアップデートするために、kde-redhatプロジェクトからkde.repoファイルを/etc/yum.repos.d/ディレクトリにダウンロードします。
KDE 4.1.3をインストールするためには、ダウンロードしたkde.repoファイルを変更する必要があります。具体的には、[kde-testing][kde-testing-all][kde-unstable][kde-unstable-all]を有効にするために、それぞれのenabledの値を「1」に変更する必要があります。例えば、以下のとおりです。
[kde-testing] |
KDE 4.1.3のパッケージは、以下のようにyumを使ってインストールします。KDE 4.1.3を日本語化するために、kde-l10n-jaパッケージを追加でインストールします。
$ su - |
これで、KDE 4.1.3をFedora 9で利用することができます。
■openSUSE
2008年12月18日にリリースされたopenSUSE 11.1では、KDE 4.1.3がプリインストールされています。openSUSE 10.3と11.0には、openSUSEプロジェクトからKDE 4.1.3が提供されています。
openSUSEでのKDE 4.1.3のインストール方法は簡単です。ブラウザでopenSUSEのKDE4のページを開き、「Install via 1-click」のリンクボタンをクリックするだけです。
「Install via 1-click」をクリックしたときにYaSTで開くことを指定すれば、YaSTが起動します。YaSTでは、画面の指示に従いインストールを進めてください。これだけで、KDE 4.1.3をopenSUSEで利用することができます。
■Debian
Debianでは、現在「testing」の状態である次期メジャーリリースの「Lenny」からKDE 4.1が導入され、その前のバージョンにはKDE 4は提供されません。そのため、DebianでKDE 4.1をパッケージでインストールして利用するには、Lennyにアップデートする必要があります。
以下では、Lennyを使っていることを前提に、KDE 4.1のインストール方法を紹介します。まず、/etc/apt/source.listに次の行を追加します。
deb http://kde4.debian.net/ lenny main |
KDE 4.1.3のインストールは、apt-getもしくはaptitudeを利用します。kde-l10n-jaパッケージを追加でインストールすることで、KDE 4.1.3を日本語化することができます。
$ su - |
これで、KDE 4.1.3をDebian Lennyで利用することができます。
■Ubuntu/Kubuntu
2008年12月18日にリリースされたKubuntu 8.10(Intrepid)では、KDE 4.1.2がプリインストールされています。Kubuntu 8.04(Hardy)には、KubuntuプロジェクトからKDE 4.1.3が提供されています。Kubuntu 8.04(Hardy)でKDE 4.1.3をインストールするためには、apt-getを利用します。まず、/etc/apt/source.listに次の行を追加します。
deb http://ppa.launchpad.net/kubuntu-members-kde4/ubuntu hardy main |
そして、apt-getを使って以下のようにKDE 4.1.3をインストールします。
$ su |
これで、KDE 4.1.3をKubuntuで利用することができます。
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