“www”の付かないURLアドレスの設定方法は? 米谷嘉朗 (JPRS) |
このところ、Webサーバで“www”の付かないサイトが増えてきました。これと同じことをするにはどのようにしたらいいのでしょうか。また、“www”が付いても付かなくても同じサーバにアクセスできるようにするための方法を設定例を用いて説明します。
まず、“www”の付けずに、取得したドメイン名でWebサーバを運用する方法ですが、DNSではすべての名前にIPアドレス(AレコードやAAAAレコード)を設定することができますので、その方法を使用することで実現できます。また、後者については、ドメイン名に設定するIPアドレスとドメイン名にwwwを付けたホスト名の両方に同じIPアドレスを設定することで実現できます。
ドメイン名にIPアドレスを設定する場合も、wwwが付くホスト名にIPアドレスを設定する場合も、委任を受けゾーンを管理するネームサーバ(コンテンツサーバ)で設定する必要があります。
http://example.jp/ http://www.example.jp/ |
example.jpを用いて、Webサーバを以下の同一ホストで運用可能とするためのDNS設定例(BINDの場合のゾーンファイル)を示します。
$ORIGIN example.jp. |
wwwの方は通常のゾーンファイルの書き方でおなじみだと思いますので、ここでは説明は省略します。example.jpは、ゾーンファイル中では委任を受ける名前であり、通常ゾーンファイル内ではexample.jpの下位レベルのラベルとリソースレコードを書きます。ゾーンファイル内でexample.jp自身を示すためには、そのゾーン内での相対パス自身を示す特別なラベルである“@”を使用します。$ORIGINは相対パスの原点を設定しますので、
$ORIGIN example.jp. |
の2行で、example.jpのIPアドレス(Aレコード)を設定することになります。上記ではそれを明示するために同じ$ORIGIN行を2行書きましたが、通常は以下のように書きます。
$ORIGIN example.jp. |
なお、Webサーバで仮想ホストなどを利用して複数のドメイン名を扱っている場合は、IPアドレスを同じにするだけではなく、Webサーバの対応も必要となります。2つの仮想ホストを同一コンテンツで提供するか、wwwが付く仮想サーバをwwwなしのサーバにリダイレクトするなどの対応が必要となります。
DNS Tips Index |
「Master of IP Network総合インデックス」 |
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