連載:IEEE無線規格を整理する(6)
〜ワイヤレスネットワークの最新技術と将来展望〜
2010年の情報家電ネットワークを予想する
千葉大学大学院 阪田史郎
2006/2/9
2. ホームアプリケーション |
ホームネットワークを用いたホームアプリケーションは1980年代より盛んに検討されてきたが、表2に示すように、屋外にいて携帯電話などを用いて遠隔操作するホームコントロール、ホームセキュリティ、エンターテインメント、生活支援に大きく分けられる。生活支援はさらに、健康、医療・介護、教育・学習、炊事・洗濯などの家事、ショッピング、コミュニケーションなど多岐にわたる機能が考えられる。
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表2 ホームアプリケーション例 |
2004年には、情報処理相互運用技術協会(INTAP)がこれらのアプリケーションをユースケースとして以下の10に分類し、ニーズ調査を行っている。
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調査によれば、1の防犯・防災が他を引き離して圧倒的に高いニーズとして挙げられ(1990年代からの調査でも常に突出して最上位)、次に2 の医療・介護・健康、3の遠隔機器修理・メンテナンス、4のエンターテインメントが上位を占め、ほかは将来要請されるサービスという結果が報告されている。
これらのアプリケーションを実現するには、図1のようなイメージに基づき、屋外と屋内のホームネットワークとの間、およびホームネットワークと情報家電、端末・機器群がシームレスに連携したシステム基盤を確立することが重要となる。2010年以降には、ホームネットワークに、パーソナルロボットや介護ロボットなどの家庭用のロボット、屋内の家具や壁、床、天井、ドア、窓、照明、エアコンなどに設置したセンサ、居住者の体調(体温、脈拍、血圧、心拍など)を測るバイオセンサがネットワークとして接続され、多様なアプリケーションが創出されると思われる。
図1 2010年ごろのホームシステムイメージ(クリックすると拡大表示します) |
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目次:IEEEを整理する(6) | |
1. ホームシステムと情報家電 | |
2. ホームアプリケーション | |
3. ホームシステムの構成要素 |
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特集:Voice
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