最新GUIツールで基礎から学べる
連載:いまから始めるJava入門(1)
とにかくJavaをはじめてみよう!
たけぞう
2000/7/29
(1) Javaの開発環境 |
「Java」と聞いて、皆さんは何を連想されるでしょうか?
ここをお読みの皆さんなら、もはや「お茶の名前」とか「スターウォーズのキャラクター」なんて言う人はいないでしょう。しかし、「Webブラウザの上で動く小さなプログラム」しか思い浮かばない人も、実は結構多いのではないでしょうか? まずは、Java誕生の歴史から簡単に振り返ってみましょう。
Java今昔物語 |
プログラミング言語Javaは、1995年にサン・マイクロシステムズから発表されて以来、劇的な進化を遂げ、今もその進化の足を止めようとはしていません。
最初は、やはりWebブラウザ上で動くオモチャしか作れませんでした。しかし、インターネットの爆発的な普及とあいまって、Javaのバージョンは、初期の1.0から1.1、1.2と進化してきました(注)。この間、Javaはさまざまな機能を追加していき、現在では大規模分散システムの構築から、家電製品のマイクロチップ上で動かす組み込み型プログラムまで、その用途は、他の汎用プログラミング言語以上に大きくなろうとしています。
(注)なお、7月12日現在の最新バージョンは1.3(Windows用のみ)です
Javaのバージョンが1.2になる際、旧バージョンと差があまりに大きいため、サンは1.2以降のバージョンを、特に“Java2”と呼ぶことにしました。しかし、本屋さんに行っても「Java2対応」と書かれたJavaの解説本はほとんどありません。仮にそう書いてあるものでも、実はベータ版だった当時の仕様でムリヤリ改訂してあるものだったりします。Javaのあまりの進化の速さに、紙媒体での出版では追いついていけないのが現状です。
そこで、この連載では、Web上での連載というメリットを最大限に活かし、最新バージョンであるJava2と、Java2対応の最新開発ツール(JBuilder)を用いて、Javaに興味がある、あるいはJavaの学習をしてみたいという方達に、Javaというプログラミング言語の基本から学んでいただこうと思います。
対象としては、CやC++、あるいはVisual Basicなど、他の言語でのプログラミングの経験が多少なりともある方を想定していますが、プログラミングをあまり知らない方でも理解できるよう、易しく解説していきます。
Javaの開発環境〜JDKとIDE |
Javaでプログラミングを行うには、最低限JDK(Java Development Kit)、あるいはJava2 SDKとも呼ばれるツールキットを手に入れることが必要です。これは、サンのJavaホームページからダウンロードすることができます。対象OSとしては、Windows、Solarisに加え、最近Linuxも正式にサポートされるようになりました。
ちなみに、さっきまで私が「Javaのバージョン」と言っていたのは、実はこのJDKのバージョンのことです。事実上、このJDKのバージョンが、Javaのバージョンに等しいと見ていいでしょう(正式なバージョン定義や用語の使い方は、Javasoftでこちらのように定められています)。
さらに現在、JDKには
Standard Edition(J2SE) | 標準的デスクトップコンピュータ向け |
Enterprise Edition(J2EE) | ネットワークを介した大規模分散システム向け |
Micro Edition(J2ME) | PDAなどの小型・携帯端末向け |
の3つのエディションがあります。J2SEが今までのJavaの流れを汲み、最も一般的に使用されていますが、電子商取引やWebベースのC/Sシステム等、企業向けのテクノロジーを含むJ2EEも、現在IT業界でのニーズに十分耐えられるものとなっています。またJ2MEも、iモード(NTTドコモ)への導入が決まるなど、急速に整備・普及しつつあります。
しかしながら、これらのツールキットだけで開発するには
1. ソースコードを、手持ちのテキストエディタで書いて |
2. コマンドラインから、キーボードでコンパイラを起動させ、コンパイル |
という、UNIXやDOSベースで開発していた人にはお馴染みの、CUIでのコマンドラインベースの開発を行うことになります(Windowsでは、DOSプロンプトを用いる事になります)。
この開発手法に慣れきっているUNIXユーザなどはこれで十分、と思うかもしれませんが(笑) これでウィンドウベースの、グラフィカルなプログラムを開発するのはなかなか大変です。特にWindowsで、Visual BasicやDelphiなどの、いわゆる「RADツール」に慣れてしまったユーザには苦痛かもしれません。
これらのRADツール、またはIDE(統合開発環境)は、Java向けにも、当然各ベンダーから提供されています。そして、最近のホットな流れとして、これらのIDEの機能限定版が、無償で配布されているのです。
JBuilder Foundationのインストール |
そこで筆者が注目したのは、インプライズの「Borland JBuilder Foundation 3.5」です。 JBuilderは、Windows用RADツールとして定評のある「Delphi(デルファイ)」の兄弟分にあたり、同じルック&フィールの開発環境を、Java用に移植したものです。今までVisual BasicやDelphiを使ってこられた方には、ほとんど同じ感覚でプログラムが作成できてしまいます。
しかも(ここからがすごいのですが)、現バージョンになって以降、開発環境自身がJavaアプリケーションとして構築されています。これによってJBuilderは、JDKがサポートされているWindows、Solaris、LinuxのすべてのOS上で動作させることができるようになったのです。UNIX環境でこのようなRADツールは、これまでほとんど提供されてこなかっただけに、貴重と言えるでしょう(また最近、来年初めに出荷予定のMacOS X対応版もリリースされるとの発表がありました)。
JBuilderの製品ラインナップはFoundation、Professional、Enterprise の3つのグレードで構成されています。そして、中でも入門者向けのFoundationが無償で配布されています。この連載では、このJBuilder Foundation をメインに使っていきます。ちなみに、推奨動作環境は
対応OS
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Windows 98/NT 4.0(SP3以降) Solaris 7(2.7) LASER 5 Linux 6.0/Red Hat Linux 6.1日本語版 |
CPU
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PentiumII-233MHz以上(Windows/Linux版) Ultra Sparc 2(Solaris版) |
メモリ
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128MB以上 |
HDD空き容量
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150MB以上 |
となっています。また、Solaris版、Windows版についてはJDKの1.2.2がバンドルされています(注)。
(注)Windows版ではすでに1.3.0が正式版としてリリースされていますが、残念ながらFoundationでは、JDKのバージョンをアップデートする機能がついていません(Professional版、Enterprise版にはついています)。ですので、最新版JDKではないのですが、Linux版、Solaris版とも整合性を取るため、本連載では、しばらくの間JDK1.2.2を用います。まぁ、何はともあれ、使ってみることにしましょう。タダですし。
つい先日までCD-ROMで無償配布していたのですが、残念ながらこのサービスは終了してしまい、手に入れる方法はインターネット経由でダウンロードする方法しかなくなってしまいました。基本セットだけでも30MB、ドキュメントだけで30MB(Windows版)あるので、気合を入れてダウンロードしてください。インプライズのWebサイトか、ベクターのWebサイトからダウンロードできます。
それぞれ、インストールに際してのただし書きがありますので、よく読んでダウンロード、インストールしてください。Windowsの場合、インストールが完了すると「スタートメニュー」から起動できます。
ただし、インストールが完了しても、ライセンスを登録しないと起動しない仕組みになっています。
(画面をクリックすると拡大します)
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Foundationのライセンスは、インプライズのサイトで使用者登録をすると、メールでもらえる仕組みになってます(ここをクリック)。 ……はてさて、うまくできたでしょうか?
おっと、1つ忘れていました。JBuilderのインストールはこれで終わりですが、せっかくですので、JBuilderを使わず、JDKだけ動かせるように、JDKのインストール先にパスを通しておいてください。Windowsであれば、「C:\Autoexec.bat」(ドライブ名は、Windowsがインストールされているドライブを指定)というファイルに、次の1行を書き足して、再起動してください。
set Path=%PATH%;c:\JBuilder3.5\jdk1.2.2\bin
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(注) 赤の部分は、JBuilderをインストールしたフォルダ名 |
「Master of IP Network総合インデックス」 |
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