Master of Network
第4回 読者調査結果発表
〜システム運用管理でアウトソーシングしたい業務とは?〜


小柴豊
アットマーク・アイティ マーケティングサービス担当
2001/8/31


 インターネット・システムが企業活動の中で重要な位置を占めるにつれ、システム管理者の負担も増している。特に何らかのe-businessを実践している企業の管理者は、休日でも完全に気の休まるときがないのではないだろうか? そうした中、iDCやMSPなどさまざまな運用管理のアウトソーシングサービスが登場してきた。果たしてユーザーはどのようなサービスの利用を望み、どんな基準で事業者を選定するのだろうか? 第4回読者調査の結果から、フォーラム読者の声を紹介しよう。

インターネット関連サーバの設置場所は「社内」が主流

 まず、読者勤務先におけるインターネット関連サーバの設置場所を聞いたところ、全体の84%が社内にサーバを設置していることが分かった(図1)。同時に聞いている今後の外部施設利用意向を見ても、「現在は社内に設置しているが、今後は外部施設を利用したい」と答えた人は16%にとどまっており、今後ともサーバ設置場所は自社内が主流となるもようだ。

図1 インターネット関連サーバの設置場所


インターネットシステムの運用管理は「社内+アウトソーシング活用」で

 次に、インターネット関連システムの運用管理方針について尋ねたところ、「運用管理はすべて社内で行うべきだ」との回答が3割あったものの、6割は「基本的に社内で運用管理しつつ、アウトソーシングも活用していきたい」という柔軟な姿勢を示した(図2)。前項と併せて考えると、「サーバはユーザー企業内に設置したまま、運用管理の一部を外部に委託する」といったニーズが高いように思われる。では、運用管理プロセスの中で、どのような業務のアウトソーシング意向が高いのだろうか? 続けてそれを検証しよう。

図2 インターネット関連システムの運用管理方針


アウトソーシングしたいサービス:監視/運用+セキュリティ

 システム運用管理に関して提供されている各種アウトソーシング・サービスについて、読者の「現在利用しているサービス」「今後利用してみたいサービス」を聞いた結果が図3である。現在の利用率はいずれも1割程度にとどまっているが、今後の利用希望を見ると「ハードウェアやシステムリソースなどの24時間×365日監視」「障害復旧やシステム調整などを含む運用」という基本的なサービスに加え、「ウイルス/不正侵入対策などのセキュリティサービス」についても、およそ4割の読者が利用してみたいと答えている。今後の希望を全体的に見ると、セキュリティ関連などの“守備的部分”についてはアウトソーシング意向が高く、ECサイト構築などの“攻撃的部分”については低い(自社で管理する?)傾向があるように思われる。

図3 アウトソーシング・サービス利用状況(複数回答)


選ばれるサービス・プロバイダの条件:トラブル解決能力の証明

 上記のようなサービスのアウトソーシング先を選定する際、読者が重視する点を尋ねたところ、「実際の障害発生時のトラブル解決能力が高いこと」がほかを引き離してトップに選ばれた(図4)。なんだか当り前のことのようにも思えるが、価格/設備/人員数など、数値/スペック化できる情報と違い、こうした“実力”は実際に付き合ってみないと分からないことが多い。クリティカルなシステムの運用管理を安心して任せられるために、サービス・プロバイダはまず自らの現場能力を証明してみせることが必要なようだ。

図4 アウトソーシング先選定時の重視点(複数回答)


調査概要

「Master of IP Network総合インデックス」


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