連載 PCメンテナンス&リペア・ガイド
第1回 Windows上で調べられるPCのハードウェア構成
1. [コンピュータの管理]ツールを使いこなす
林田純将
2001/01/25
|
|
ハードウェア構成を調べるツールとして、シマンテックのNorton Utilities(ノートン・ユーティリティーズ)といったものもあるが、基本的な情報はWindows
2000上で得ることができる。
Windows 2000では、システム構成のほとんどは、[コンピュータの管理]というツールで一元管理できるようになっている。このツールを呼び出すには、タスク・バーの[スタート]ボタンから[設定]−[コントロール
パネル]−[管理ツール]−[コンピュータの管理]を選べばよい*1(下の画面)。あるいは、デスクトップにある[マイ
コンピュータ]アイコンを右クリックしてショートカット・メニューから[管理]を選ぶことでも呼び出せる。
*1 [コンピュータの管理]ツールの中には、管理者権限を持つユーザーでログオンしないと利用できない機能があるので注意が必要だ。管理者権限については「Windows
2000 Tips:Administratorとは」を参照していただきたい。 |
[コンピュータの管理]ツールは、大別すると[システム ツール]、[記憶域]、[サービスとアプリケーション]の3つのメニューから構成されている。ハードウェアやシステム構成を調べるには、ハードウェアやデバイス・ドライバ類、ソフトウェアなど全般的な設定を管理する[システム
ツール]と、ハードディスクやCD-ROMなどのドライブ関係を管理する[記憶域]の2つを主に使用する(下の画面)。
[システム情報]でプロセッサやメモリの情報を得る
まずは、[システム ツール]−[システム情報]−[システムの概要]を調べてみよう(下の画面)。ここには、現在実行しているWindows
2000のバージョンとビルド情報、プロセッサの種類、システム(PC本体)の製造元/モデル、物理メモリ、空きメモリなどの情報が表示される。
|
[コンピュータの管理]ツールでシステムの概要を表示させたところ
|
メモリ容量、OSのバージョンなどが表示されていることが分かる。ここからプロセッサの種類をある程度特定することも可能だ(詳細は後述)。
|
■物理メモリ/仮想メモリとは?
上の画面で表示されている「物理メモリ」とは、PCに搭載されているDIMMなどのRAMのことだ。「仮想メモリ」は、ハードディスク上に確保された、いわゆるスワップ・ファイル(ページング・ファイル)を含めたメモリの量である。普段使用するアプリケーション類を起動した状態で、「仮想メモリの空き容量」が多ければ、ページング・ファイルのサイズをより小さくして、ディスクの空き領域を増やすことができる。しかし、Windows
2000は、ページング・ファイルのサイズを実際の使用量に合わせて動的に調節するため、特に理由がなければ*2、このファイルのサイズをユーザーが変更する必要はない。
■ プロセッサの種類やクロック周波数を判別するには
[システムの概要]で一番分かりにくいのは、[プロセッサ]の項目だろう。下の画面のように、プロセッサのクロック周波数なら、見ただけですぐ理解できる。しかしプロセッサの種類については、「x86
Family 6 Model 8 Stepping 3 GenuineIntel」などと表示されてしまい、「Pentium III」や「Celeron」といったプロセッサの固有の名称が表記されない。下の表を参照して、自分のPCに搭載されているプロセッサを調べてほしい*3。
プロセッサ名 |
[プロセッサ]の表示内容 |
Intel Celeron |
x86 Family 6 Model 5 Stepping
* GenuineIntel |
Intel Celeron |
x86 Family 6 Model 6 Stepping
* GenuineIntel |
Intel Pentium III/Mobile Pentium
III |
x86 Family 6 Model 8 Stepping
* GenuineIntel |
Intel Pentium II |
x86 Family 6 Model 3 Stepping
* GenuineIntel |
Intel Pentium II |
x86 Family 6 Model 5 Stepping
* GenuineIntel |
Intel Pentium II |
x86 Family 6 Model 6 Stepping
* GenuineIntel |
Intel Pentium III |
x86 Family 6 Model 7 Stepping
* GenuineIntel |
Intel Pentium Pro |
x86 Family 6 Model 1 Stepping
* GenuineIntel |
AMD Athlon |
x86 Family 6 Model 1 Stepping
* AuthenticAMD |
AMD Athlon |
x86 Family 6 Model 2 Stepping
* AuthenticAMD |
AMD Athlon |
x86 Family 6 Model 4 Stepping
* AuthenticAMD |
AMD Duron |
x86 Family 6 Model 3 Stepping
* AuthenticAMD |
AMD-K6-2 |
x86 Family 5 Model 8 Stepping
* AuthenticAMD |
AMD-K6-III |
x86 Family 5 Model 9 Stepping
* AuthenticAMD |
|
実際のプロセッサと、[コンピュータの管理]ツールで得られるプロセッサの情報との対応 |
「Stepping」の値(上表では「*」)は無視する。「Family」と「Model」の値、およびメーカーを表す文字列から、ある程度プロセッサの種類を知ることができる。 |
*3 この情報だけでは、プロセッサの種類を完全に特定することは難しい。詳しくは次回で触れる予定である。 |
System Insider フォーラム 新着記事
- Intelと互換プロセッサとの戦いの歴史を振り返る (2017/6/28)
Intelのx86が誕生して約40年たつという。x86プロセッサは、互換プロセッサとの戦いでもあった。その歴史を簡単に振り返ってみよう
- 第204回 人工知能がFPGAに恋する理由 (2017/5/25)
最近、人工知能(AI)のアクセラレータとしてFPGAを活用する動きがある。なぜCPUやGPUに加えて、FPGAが人工知能に活用されるのだろうか。その理由は?
- IoT実用化への号砲は鳴った (2017/4/27)
スタートの号砲が鳴ったようだ。多くのベンダーからIoTを使った実証実験の発表が相次いでいる。あと半年もすれば、実用化へのゴールも見えてくるのだろうか?
- スパコンの新しい潮流は人工知能にあり? (2017/3/29)
スパコン関連の発表が続いている。多くが「人工知能」をターゲットにしているようだ。人工知能向けのスパコンとはどのようなものなのか、最近の発表から見ていこう
System Insider 記事ランキング
本日
月間