[Software]

ディスプレイのリフレッシュ・レートを変更するには(Windows 2000編)

デジタルアドバンテージ
2000/10/20

 PCの表示装置としてCRTディスプレイを利用する場合、そのリフレッシュ・レートは表示品質に大きな影響を及ぼす。リフレッシュ・レートとは、簡単に言えば、ディスプレイの画面表示を更新する頻度のことで、1秒間に1回更新するなら1Hzと表す。一般的にPC用CRTディスプレイなら、リフレッシュ・レートは60〜120Hzの範囲に設定されている。

 更新する前と後の画面の間では、一瞬表示が途絶えるので、黒い画面が表示される間が生じる。そのため、画面の更新頻度(リフレッシュ・レート)が低いと、更新する前と後の画面の間隔が長くなり、輝度変化が人間の目で認識できてしまい、表示がちらついているように感じられることがある。ちらつきがひどいと、最悪の場合、ユーザーの視力低下にもつながりかねない。

 こうした事態を防ぐには、決められた範囲のなかでリフレッシュ・レートを最適な値に調整する必要がある。一般的に、CRTディスプレイなら75Hz以上に高めればよいとされる。液晶ディスプレイの場合は、リフレッシュ・レートが高いほどよいとは限らず、逆に低くするとちらつきを抑えられることもある。いずれにせよ、リフレッシュ・レートを変更する方法を知らなければ、こうした調整はままならない。ここでは、Windows 2000におけるリフレッシュ・レートの変更手順を解説しよう。

リフレッシュ・レートは[画面のプロパティ]で変更する

 Windows 2000におけるディスプレイ関連の設定は[画面のプロパティ]で変更できる。[画面のプロパティ]を表示させるには、[スタート]−[設定]−[コントロール パネル]−[画面]を選ぶ方法もあるが、以下のようにデスクトップ上から直接呼び出す方が早い。

[画面のプロパティ]を表示させる手順

デスクトップ上でアイコンなどがないところにマウス・カーソルを合わせ、マウスの右ボタンをクリックすると、このショートカット・メニューが表示される。ここで[プロパティ]を選べば[画面のプロパティ]が現れる。

 [画面のプロパティ]が現れたら、以下のようにディスプレイの詳細設定を行うための画面を表示させる。

[画面のプロパティ]−[設定]タブよりディスプレイの詳細設定を呼び出す

ここでは壁紙スクリーン・セーバのほか、グラフィックス・カードやディスプレイの詳細設定も行える。
  最初は[背景]タブが表示されているので、この[設定]タブを選ぶ。
  この[詳細]ボタンを押すと、ディスプレイの詳細設定を行うための画面が表示される。

 ディスプレイのリフレッシュ・レートを変更するためのメニューは、[モニタ]タブのところにある。リフレッシュ・レートの変更手順は以下の画面のとおりだ。

ディスプレイの詳細設定画面

ここではリフレッシュ・レートのほか、ディスプレイの種類も変更できる。
  最初は[全般]タブが表示されるので、[モニタ]タブを選んでこの画面を表示する。
  [モニタの種類]は、特定の製品名か「プラグ アンド プレイ モニタ」が望ましい。
  このチェック・ボックスがチェックされていることを確認する。
  このドロップダウン・リスト・ボックスを操作して、リフレッシュ・レートを変更する。→

 が「(既定のモニタ)」だったり、チェック・ボックスが未チェックだったりすると、ディスプレイの限界を超えるリフレッシュ・レートまで選べてしまう(ディスプレイの種類が「(既定のモニタ)」だった場合の対処方法は後述する)。もし、そのままディスプレイが対応していないリフレッシュ・レートを設定したりすると、画面が乱れたり、真っ暗になったりして、正常な表示が得られない。その場合は、後述するように15秒間そのまま待てば、元のリフレッシュ・レートに戻る。

リフレッシュ・レートの変更

このドロップダウン・リスト・ボックスには、設定可能なリフレッシュ・レートの一覧が表示される。ここでは60Hzから85Hzに変更しようとしている。

 リフレッシュ・レートの設定を変えて[OK]ボタンまたは[適用]ボタンを押すと、以下の警告が現れることがある。

再起動を促す警告メッセージ

リフレッシュ・レートを変更しようとすると、このメッセージが表示される。
  こちらを選んで[OK]ボタンを押すと、その時点ですぐさまリフレッシュ・レートが変更される。この場合、PCを再起動する必要はない。
  このチェック・ボックスをチェックして[OK]ボタンを押せば、今後この警告は現れなくなる。

 ここでは、デフォルトであるを選ぶ方が無難だ。再起動が必要な場合とは、ダイナミックなリフレッシュ・レートの変更に対応していない非常に古いグラフィックス・カードを使用している場合であり、現行のグラフィックス・カードなら問題ないはずだ。もしここで再起動を選ぶと、OSが再起動する際、いきなり新しいリフレッシュ・レートで表示されてしまう。そのため、万一リフレッシュ・レートが高すぎて正常に表示できなかった場合、簡単にはリフレッシュ・レートを元に戻せなくなってしまう*1(画面が正しく見られないのだから、リフレッシュ・レートの設定どころか、シャットダウンすらままならないだろう)。逆に上記画面でを選び、すぐにリフレッシュ・レートを変更すれば、もし表示がおかしくなっても、以下の画面のように、15秒間PCを放っておけば、元のリフレッシュ・レートに戻るので安心だ。

*1 このような状態に陥ったら、まず、キー操作だけでシャットダウンするか、あるいはリセット・ボタンを押してPCを再起動する。そしてWindows 2000が起動する直前にF8キーを押して拡張オプション・メニューを表示させ、[VGAモードを有効にする]を選ぶ。するとWindows 2000はVGA表示で起動するので、あとは本稿に記している手順でリフレッシュ・レートを元の値に戻せばよい。

リフレッシュ・レート変更直前の確認を促すメッセージ

[OK]ボタンを押すと、リフレッシュ・レートが変更される。

 リフレッシュ・レートが変更された直後は、画面が真っ暗になったり、ちらついたりする。表示が落ち着くには1〜4秒ほど必要なので、慌てずに待とう。すると、以下のようなメッセージが表示される。

リフレッシュ・レート変更直後に表示されるメッセージ

変更したのはリフレッシュ・レートで、「デスクトップのサイズ」ではないが、このように表示される。
  何もせずに放っておくと、この秒数が15秒から次第に減っていき、0になると元のリフレッシュ・レートに戻る。正常に表示できたのなら、[はい]ボタンを押して新しいリフレッシュ・レートを確定する。

 もしこのメッセージが正しく表示されない場合は、15秒間放っておくか、Escキーを押せば元のリフレッシュ・レートに戻る。あとは、[OK]ボタンを押して、[画面のプロパティ]を終了させればよい。

事前にディスプレイとグラフィックス・カードの設定を済ませておく

 正常に表示できるリフレッシュ・レートの範囲は、グラフィックス・カードとディスプレイの両方の限界で決まる。そのため、どちらのデバイスもWindows 2000上で正しく認識されるようセットアップしておく必要がある。特に最近は、グラフィックス・カードの性能が高く、リフレッシュ・レートの上限はディスプレイの限界で決まることが多い。その点で、リフレッシュ・レートの設定ではディスプレイの方が重要なポイントだ。例えば、前述したディスプレイの種類が「(既定のモニタ)」となっている場合は、ディスプレイの種類が特定されていない証拠なので、何らかの方法でWindows 2000にディスプレイの種類を正しく認識させる必要がある。これを手動で行う手順については、「PC TIPS:ディスプレイの種類を手動設定するには(Windows 2000編)」を参照していただきたい。記事の終わり

  関連記事(PC INSIDER内)
ディスプレイの種類を手動設定するには(Windows 2000編)
ディスプレイのリフレッシュ・レートを変更するには(Windows 95OSR2/98/98SE/Me編)

「PC TIPS」


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