第3回 バーコードでは個体管理できないという誤謬


株式会社イー・ロジット
コンサルティング部
2007年12月26日


 現場に適した作業手順・作業ルールづくりが基本

 弊社では「システムを導入しただけで改善効果を生むことはない」と考えています。むしろシステム化よりも、人のマネジメントをしやすい環境を作っていくことが大切だと考えます。

 そのために、現場に適した作業手順・作業ルールを作り上げ、作業員に根付かせていくのです。初めからシステムありきの対応は取りませんし、現場に適した作業手順・作業ルールを作り上げ、作業員に根付かせていくための最適なシステムであれば、RFIDでも、バーコードでも関係なく対応していく姿勢でこれまで取り組んできました。

 リサイクルオンラインショップの個体管理のケースも、ベースの部分はタネも仕掛けもなく、極めて単純なものです。しかし、システム導入前にピッキング作業を徹底検証し、できるだけ効果を生むピッキングロジックを組み上げました。

 例えば、全体のフローチャートから見れば、同じピッキング作業であっても返却・発送業務はそれぞれで違う業務となるわけですが、ピッカーはその差を考えずに作業できるように、出荷業務と返却業務を同じフロー(棚に保管されている商品をピッキングし、商品の引き当ては入荷時に発行した商品IDで特定)でできるようにしました。

 また、商品別にピッキングする際の位置を決めるのではなく、注文傾向から一定の基準に当てはまる集合体をグループ別に分け、グループ単位にまとめてピッキングを行い、ピッカーの作業動線が最短になるような工夫も凝らしています。

 具体的には、荷姿により大中小の3エリアを構成し、それぞれのピッキング点数および回数を調査した場所の結果を確認します。これを基に、それぞれのグループをピッキング単位とし、同じゾーン内を集中的に歩行できるようにすることで、効率的なピッキング作業を実現しています。

図1 出荷パターン別ピッキング点数の割合


 2種類のピッキングパターンを細分化して最適化

 そのほかにも、1点のみの購入者(シングルピッキング)と複数点購入者(マルチピッキング)を分け、数件のグループ別注文を1度のピッキングでまとめて行うようにしました。

図2 ピッキングパターンの分類

 これにより1ピッキング当たりのピッキング点数を最大限まで引き上げています。通常のオーダーピッキング方式と比較したグラフは図3のようになりますが、同じグループをまとめてピッキング単位とすること(バッチピッキング方式)で、1回当たりのピッキング効率が飛躍的に向上しているのが確認できると思います。

図3 ピッキング方式比較

 シングルピッキングとマルチピッキングの特徴はそれぞれ次のとおりとなります。

 シングルピッキングはマルチピッキングに比べて、一度で大量の注文をピッキングできるようになっているので、何度も同じ場所へ行く必要がなく効率的です。通常であれば、一度に大量のオーダーをピッキングすると次工程でオーダー別の仕分けが煩雑となってしまうのですが、個体管理が図られているため、引き当てのタイミングのときに、ラベルをスキャンするだけで顧客が特定できます。出荷検品作業についても、顧客情報に応じて商品を引っ張るのではなく、商品ラベルをスキャンしてから顧客を消し込むような仕掛けにしています。

 一方、マルチピッキングはカート上でオーダー別の仕分けを行い、仕分けの手間を軽減するとともに、次工程である検品作業ラインもシングルピッキングとは別のマルチピッキングに適した手法を導入しています。

 販売時には、商品のほかにお買い上げ明細票を商品に添付して発送しますが、シングル・マルチピッキングともに、納品書の発行作業を出荷検品ラインに組み込み、商品スキャンと同時に検品と納品書出力をすることで、ほかの顧客に間違った納品書を送ることがないようになっています。個体管理実現で、ピッキングリストと納品書・送り状を注文単位で付け合わせる作業もなくなっています。

 そのほか、リサイクル品の特殊事情を加味して付け加えたのが、代替品の引き当て機能です。商品は存在するものの、出荷検品時にデータベース上に登録のない傷や汚れを発見した場合に、ピッキングした商品は出荷せずに、同一アイテムがあれば、それを再度引き当てし直し、新たにピッキングを行えるという機能です。これもバーコードラベルをスキャンするだけで、代替品出荷指示ができます。サービス品質を保ち、速やかに出荷業務を行うための工夫として行ったものです。

2/3

Index
バーコードでは個体管理できないという誤謬
  Page1
同一商品でも値付けが変わる中古本リサイクルを迅速に
センター内の棚移動を含めた履歴管理を徹底
Page2
現場に適した作業手順・作業ルールづくりが基本
2種類のピッキングパターンを細分化して最適化
  Page3
携帯電話1台ごとの管理もバーコードで実現
将来的なRFID導入にも対応できる柔軟なシステム

物流現場から見るRFID 連載インデックス


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