岡田 大助
@IT編集部
2006年5月18日

■電池がなくても寿命は半永久的のなぞ

 非接触型ICカードの電力は、リーダ/ライタから発信される電波を使って発生させます。密着型には静電結合方式を採用するものもありますが、ほとんどの非接触型ICカードでは電磁誘導方式を採用しています。

 リーダ/ライタ側のアンテナコイルに電流を流すと、交流磁界が発生します。この磁界の中に非接触型ICカードをかざすと、ICカード側のアンテナコイルに交流電圧が誘起されます。この交流電圧はICカード内で直流電圧に変換され、ICチップが動作します。

 電力の供給と同時に、情報もやり取りされます。ICカード側のアンテナコイルに電流を流すと同様に磁界(反磁界)が発生し、リーダ/ライタ側のアンテナコイルに影響を与えます。ICカードとリーダ/ライタ間でやり取りされる搬送波に対して、振幅、周波数、位相を変化させて信号を送ります。これを変調といい、それぞれ振幅偏移変調(ASK)、周波数偏移変調(FSK)、位相偏移変調(PSK)と呼びます。

 変調波によってアンテナコイル内を流れる電圧が変化します。この変化を「0」と「1」からなるデジタルデータに変換する作業が符号化です。非接触形ICカードの場合、NRZ(Non Return to Zero)、ミラーマンチェスターなどの符号化方式があります。

 では、最も利用されている非接触型ICカードである近接型ICカードについて、詳しくみていきましょう。


Index
5分で絶対に分かる非接触ICカード
  身近になった非接触型ICカードとは
  非接触型ICカードの形状は決まっている
電池がなくても寿命は半永久的のなぞ
  13.56MHzを使う3種類の近接型ICカード

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