岡田 大助
@IT編集部
2006年5月18日
■13.56MHzを使う3種類の近接型ICカード
近接型ICカードにはISO/IEC 14443で標準化されているTypeAとTypeB、それにTypeCを目指したものの審議を打ち切られてしまったFeliCa(それ故、古い資料ではTypeCと書かれていることもあります)の3種類が存在します。日本国内では、FeliCaが圧倒的なシェアを持っています。
TypeAは、世界で最も普及している近接型ICカードです。これは、オランダのPhilipsが開発した規格で、MIFAREとも呼ばれています。日本では、NTTのICテレホンカードに利用されていました。通信速度は106kbps、変調方式はASK 100%、符号化方式はミラーとマンチェスターを採用しています。
TypeBは、Motorolaが開発した近接型ICカードです。日本国内では、住民基本台帳カードに使われているほか、導入が遅れているICチップ搭載型運転免許証にも採用されることになっています(運転免許証の大きさはすでにID-1と同じですが、ICカード化されると厚みが増します)。通信速度は106kbps、変調方式はASK 10%、符号化方式はNRZを採用しています。
FeliCaは、ソニーが開発した近接型ICカードです。Suicaなどの交通系カードやEdyなどの電子マネーに利用されています。通信速度は212kbps、変調方式はASK 10%、符号化方式はマンチェスターを採用しています。
なお、ISO/IEC 14443 TypeCとしては標準化できなかったFeliCaですが、その後、Philipsと組んで非接触ICカード用の通信方式「Near Field Communication(NFC)」としてISOに提案し、2003年にISO/IEC 18092として承認されました。
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13.56MHzを使う3種類の近接型ICカード |
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