1ソースでiPhone/Androidアプリを作れる
Flash Builderとは

PCと携帯端末で行う、アプリの実行とデバッグ

　まず、プロジェクトのコンテキストメニューから、実行なら［実行］→［実行の構成］、デバッグなら［デバッグ］→［デバッグの構成］を選択します。

　すると、ウィザード画面が表示されます。

■ デスクトップ上での実行

　デスクトップ上で実行およびデバッグを行う場合はターゲットプラットフォームを選択後、起動方法で［デスクトップ上］としてシミュレートするデバイスを選択します。

シミュレータ上で実行されるわけですがデバイスに依存する機能についてはテストを行うことはできません。例えばマルチタッチ、カメラ、センサ類などが該当します。

■ Android端末上での実行

　次に、携帯端末上での実行です。携帯端末での実行では、ターゲットプラットフォームがAndroidかiOSかで大きく変わります。

　まず、Android場合について、デバイス側のUSBデバッグを有効にした状態でPCに接続しデバイスが認識されていれば、USB経由で簡単にデバッグ可能です。ビルドとインストールも高速に行われるので、Android主体で開発する場合はデバイス上で実行とデバッグを行っていくのがいいでしょう。

■ iPhone／iPad端末上での実行

　次に、iOSの場合は直接USB経由での実行ができません。まずiOSアプリのパッケージ化を行う必要があります。パッケージ化の方法は［標準］と［高速］の2種類から選択可能です。［標準］は後述するアプリのリリースビルドと同じ時間がかかりますが、［高速］では非常に速くパッケージ化が行われます。

　ただし、画面に記述されているとおり、アプリの実行速度はリリースビルドに比べて格段に遅くなりますので注意が必要です。パッケージ化の設定については後述するリリースビルドの項で説明します。

　また、デバッグについてもUSB経由ではなくWifi経由で行う必要があります。デバッグで実行すると次のような画面が表示されFlash Builderが待機状態になります。

　この状態でデバイス側でアプリを起動することでデバッグを開始できます。

　以上のようにiOSでの実行とデバッグは非常に手間が掛かることから、ワンソースで両プラットフォームを対象に開発を行っている場合は、普段のデバッグ作業はAndroid主体に行い、肝心なところでiOSでの動作確認をするといった運用で開発していくのがよいでしょう。

アプリをiPhone向け、Andrid向けにビルド

　さて、アプリができたらリリースビルドを行いパッケージ化します。

　Flash Builderのメニューから［プロジェクト］→［リリースビルドのエクスポート］を選択します。

　リリースビルドの書き出し画面が表示されます。ターゲットプラットフォームに［Apple iOS］［Google Android］が選択されているのを確認して次へ行きます。

　エクスポート先フォルダが空の場合はプロジェクトフォルダ直下に書き出しされます。

　次は、電子署名の設定です。この部分はAndroidとiOSで設定項目が異なります。Androidでは証明書を設定します。これは通常のAIRアプリと変わりません。必要に応じて作成ボタンから証明書を作ってもよいでしょう。

　iOSの場合は、前述した準備の項で用意したiOS開発用証明書とプロビジョニングプロファイルを指定します。パッケージタイプによってプロビジョニングプロファイルが異なるので、その点は注意してください。

　以上で設定は終了です。［終了］ボタンを押下してパッケージ化が完了するのを待ちましょう。特にiOSはパッケージ化に時間がかかります。

Flash Builder 4.6にも期待

　以上がAndroidとiOSを使いワンソースでアプリを構築する場合に必要な作業です。全体的にiOSでの動作に事前準備が必要ですが、両方のプラットフォームに同じアプリを提供したいといった場合には、Flash Builderは非常に強力なツールであるといえると思います。

　また、現在のバージョンでは動作パフォーマンスが気になる部分もあるかと思いますが、すでにそれを改善したFlash Builderの次の4.6のバージョンが準備されています。詳細は以下の記事をご参照ください。

Flex/Flash Builderはスマホ開発の神ツールとなるか Adobe MAX 2011まとめレポート（2）　iPhone／iPadやAndroidなどモバイル端末用アプリの開発機能を強化し続けているツール／フレームワークの最新機能をまとめた 「Smart ＆ Social」フォーラム 2011/10/27

　近々登場するであろう次期バージョンでは機能追加の他にFlex SDKがさらに最適化され、特にiOSでのアプリ動作が格段に向上するようなので、期待したいところです。

☆＠IT関連記事

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INDEX
スマホのFlashはネイティブアプリ変換ツールで生き残る 1ソースでiPhone/Androidアプリを作れるFlash Builderとは
	Page1 AndroidのFlash Playerは開発終了だが…… スマホアプリ開発のための準備 コラム　Team Provisioning Profileを使うと効率が良い
	Page2 iOS／Androidに対応するモバイルプロジェクトの作成
	Page3 PCと携帯端末で行う、アプリの実行とデバッグ アプリをiPhone向け、Andrid向けにビルド Flash Builder 4.6にも期待

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