1ソースでiPhone/Androidアプリを作れる
Flash Builderとは
スマホのFlashはネイティブアプリ変換ツールで生き残る
クラスメソッド株式会社
技術部 RIAアーキテクト 杉浦 篤史
2011/11/11
AndroidのFlash Playerは開発終了だが……
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既報の通り、Android向けのFlash Playerの開発は終了となることが発表されました。Flashのコンテンツを動かすには、OS/Webブラウザに「Flash Player」という実行環境を搭載する必要があり、OS/Webブラウザ側の都合に振り回されるという問題が長く存在していました。
そもそもWeb開発者/デザイナは、Webアプリを作る際にWebブラウザやOSの仕様の違いによって、HTML/JavaScript/CSSの挙動が異なり、ソースコードを書く量が増えるという悩みがありました。Flash Playerは、そういった悩みを解消するためにWeb開発者/デザイナに代わってOS/Webブラウザ側の違いを引き受けていたように思います。
WebブラウザやOSの仕様の違いは、結局、HTML5になってもスマートフォンになっても、まだ存在しています。「HTML5だから1つのソースで大丈夫」というのは、WebブラウザベンダやOSベンダがHTML5にどれだけ対応するかに掛かっています。仕様もまだ決まっていません。そして、HTML5のWebアプリでは、ネイティブアプリにあるような端末に依存した機能をどこまで使えるのかという問題もあります。
すでにアドビシステムズは、別の方法で「1つのソースでマルチプラットフォーム対応」を目指しています。Adobe AIRの機能を使って、Flash(ActionScript、MXML)のソースコードをiOS、Android、BlackBerryのネイティブアプリとして書き出す機能をツールに取り込んで提供する方向に進んでいます。
例えば、FlexフレームワークをベースにFlashアプリを開発するツール「Flash Builder」の現時点での最新版4.5.1では複数のモバイルプラットフォームに対応したアプリをFlashアプリとして簡単に構築可能になりました。EclipseをベースにIDE(統合開発環境)として、さまざまな機能を持っていましたが、何よりもAndroidアプリとiOS(iPhone/iPad/iPod touch)アプリを同じソースコードから書き出せるようになったのは非常に大きな進化です。
本稿では、Flash Builder 4.5.1を利用してワンソースでAndroidとiOSの両方に対応したアプリを開発することに焦点を当て、そのl機能を解説します。また、Adobe AIRについても、現在の最新のSDKバージョンは3.0となっているので、これを利用します。
スマホアプリ開発のための準備
開発を始めるには事前にいくつかの準備が必要です。まず、開発環境として「Flash Builder 4.5」「AIR 3.0 SDK」を用意しましょう。
- Flash Builder 4.5.1(Flex 4.5.1 SDK)
- AIR 3.0 SDK
Flash Builderインストールされていない人は、次項を参考にしてインストールを行ってください。
※Flash Builder 4.5の必要システム構成については、こちらを参照してください。
■ Flash Builder 4.5.1のインストール
Flash Builder 4.5のサイトから期間限定の無料の試用版を ダウンロードしてインストールしてください。
ダウンロードにはAdobe IDが必要になります。持っていない方は新規にAdobe IDを作成してダウンロードしてください。また、サイト上ではバージョンが4.5となっていますが、最新の4.5.1のバージョンのものがダウンロードされます。
インストールの詳細は、下記記事も参照にしてください。Flash Builder 4/4.5のものですが、インストール手順の違いは、ほとんどないはずです。
Flash Builder 4でAdobe AIRアプリを作ってみた 業務用Flashアプリ開発ツールの新機能を試す 新機能の目玉「データ中心型開発」とは何なのか? 簡単なRSSリーダーのサンプルを作りながら、新機能をイロイロ紹介 「リッチクライアント & 帳票」フォーラム 2010/3/24 |
Flash Builder 4.5でAndroidアプリを作ってみた Flashアプリ開発ツールのスマホ向け新機能を試す 簡単なアプリを作りながら、リモートデバッグ機能やテンプレート、ローテーション対応などさまざまな機能を紹介します 「Smart & Social」フォーラム 2011/5/11 |
■ AIR 3.0 SDKの導入
次にAIR 3.0 SDKを導入します。Flash Builder 4.5.1に同梱されているFlex 4.5.1 SDKにはAIR 2.6 SDKが含まれていますが、これは古いので、最新バージョンのAIR 3.0 SDKをダウンロードして導入しましょう。
導入方法としては、Flash Builderのインストールフォルダ直下にある「sdks」フォルダ内に4.5.1のフォルダがあるのでダウンロードしたAIR SDKをそのまま上書きすれば導入完了です。Flex 4.5.1 SDK+AIR 3.0 SDKの状態になります。
■ iOS開発用証明書とプロビジョニングプロファイルの準備
iOS向けアプリをビルドするためには、iOS開発用証明書とプロビジョニングプロファイルが必要となります。これは、「Apple iOS Developer Program」に登録する必要があり、有料です。入手方法については「Adobe Flash Platform * iPhone 開発ファイルの入手と操作」を参考にしてください。
開発環境は準備できたでしょうか、次ページではアプリの作成に取り掛かります。
コラム Team Provisioning Profileを使うと効率が良い |
なお、iOS Provisioning PortalにログインしてProvisioningの一覧を確認すると「iOS Team Provisioning Profile」があります。これは、App IDが「*」になっており、どのApp IDであっても、このプロビジョニングプロファイルで実機にインストールできます。 サンプルコードの実行や、機能調査などで実機テストを行いたい場合はApp IDごとにプロビジョニングプロファイルを取得せずに、これを利用すると効率が良くなります。 |
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INDEX | ||
スマホのFlashはネイティブアプリ変換ツールで生き残る 1ソースでiPhone/Androidアプリを作れるFlash Builderとは |
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Page1 AndroidのFlash Playerは開発終了だが…… スマホアプリ開発のための準備 コラム Team Provisioning Profileを使うと効率が良い |
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Page2 iOS/Androidに対応するモバイルプロジェクトの作成 |
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Page3 PCと携帯端末で行う、アプリの実行とデバッグ アプリをiPhone向け、Andrid向けにビルド Flash Builder 4.6にも期待 |
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