特集
NAS導入事始め

3. ドメインによるNASの統合の実際

デジタルアドバンテージ
2002/06/20


 PowerVault 715Nは、前述のようにWindows Powered NASを採用しているためドメイン・ネットワークの場合、「サーバー アプライアンス名の設定」でドメイン名を設定すれば、自動的にドメイン・コントローラに統合される。これにより、PowerVault 715N上でグループやユーザーを作成する必要はなく、ドメイン・コントローラが保持しているグループ/ユーザー情報が継承される。Web UIを使って「User」や「Home」といった共有フォルダをデータ領域であるE:ドライブに作成しておけば、管理者権限を持つユーザーならエクスプローラを使って新規フォルダの作成やアクセス権の設定が行える。この点は、ドメインのメンバであるWindows 2000 Server上のフォルダを操作するのと同じだ。

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PowerVault 715Nの共有フォルダにアクセスしたところ
クライアントPCからPowerVault 715Nの共有フォルダにアクセスすると、Windows 2000 Serverなどと同様に見える。アクセス制御の動作も同じなので、Windowsネットワーク環境ならば違和感はまったくない。
 
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フォルダのアクセス制御の画面
[場所]には、PowerVault 715Nが参加しているドメイン名が表示されている。ここで、ドメインで管理されているグループ/ユーザーに対してアクセス権を設定することができる。

 単にファイルの共有を行いたいだけならば、これだけの設定で使い始めることができる。さらにディスク・クオータ(容量制限)機能もサポートしており、ユーザーごとに利用可能な最大容量を設定することも可能だ。こうしたファイル管理の部分は、Windows 2000 Serverと同様なので、普段からWindows 2000 Serverの管理をしている人にとっては非常に分かりやすいだろう。

詳細設定はターミナル・サービスを利用

 Windows Powered NASでは、通常の設定と管理をWeb UIで行えるため、Windows 2000 Serverの知識はそれほど必要とされない。しかし、初期状態のハードディスク構成を大幅に変更するような場合は、以下の画面のような「ターミナル・サービス」を利用して、Windows Powered NASを直接操作する必要がある。例えば、工場出荷時のデータ領域は4台のディスクを使ったRAID 5に設定されているが、これをRAID 1×2台の構成にするような場合だ(RAID 5からRAID 0へはWeb UIで変更可能)。

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[メンテナンス]画面
ここで[ターミナル サービス]を選択すると、ターミナル・サービスでPowerVault 715Nに接続が行われる。→
 
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[ターミナル サービス クライアント]の画面
ログインの後、この画面が現れる。Windows Powered NASは英語版のままだが、「Dell Advanced Administration Menu」は日本語化されていた。ただ、このメニューは単にWindows Powered NASの管理ユーティリティなどを起動するためのもので、管理ユーティリティ類は英語のままである。RAIDの構成を変更する場合は、ここでの[ディスクの管理]を選択する。→
 
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[Dell OpenManage Array Manager]の画面
ディスクの管理を行うためのデルコンピュータ独自のユーティリティが起動する。このユーティリティを用いることでRAID構成の変更などが行える。ただし、OSがインストールされた領域をフォーマットしないように注意が必要だ

 今回は、試しにデータ領域を再びRAID 5に再構成してみたところ、データ領域のフォーマットならびにRAID 5の構成に2時間30分ほどかかった。この間、PowerVault 715Nのデータ領域(E:ドライブ)へはアクセスできなくなる。通常、こうした操作を行う必要性はまったくないが、ターミナル・サービスを使うことで、幅広い設定が行えることは覚えておくと便利だ。

 アプライアンス・サーバだけあって、NASの設定/管理方法は非常に容易である。これはPowerVault 715Nに限ったことではなく、ほとんどのNASがWebブラウザを使い、簡単なメニュー操作で設定/管理が行えるようになっている。この点が、Windows 2000 ServerなどのOSを利用したファイル・サーバとの大きな違いとなる。

 次ページでは、PowerVault 715Nのハードウェア構成を見ていく。通常のサーバとどういった点が異なっているのだろうか。


 INDEX
  [特集]NAS導入事始め
    1.NASの概要と選択ポイント
    2.NASの設定を試してみよう
  3.ドメインによるNASの統合の実際
    4.NASのハードウェアを見てみよう
    5.NASのメリット/デメリット
 
 「System Insiderの特集」


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