検証 ディスク・デフラグメント完全マスター―― 標準ツールを使うか、フル機能版のDiskeeperを使うか。ハードディスクを最速に保つための知識とテクニック ―― デジタルアドバンテージ2000/10/21 |
ひと昔前のPCユーザーにとってハードディスクは、少ない容量をいかにやりくりして使うかという、「狭いながらも楽しいわが家」的な存在でもあった。しかし激しい大容量化競争と高速化競争のおかげで、今やエントリ・モデルのPCでも、10Gbytes超のディスクを当たり前のように搭載するに至っている。これは、数年前のPCサーバを凌ぐほどの容量だ。初心者の多くは、昔のようにディスクの残り容量やディスクのアクセス速度に汲々とすることなく、思う存分好きなアプリケーションをインストールしたり、好きなファイルを保存したりできるようになったに違いない。
さすがに本稿の読者はここまで極端でないにせよ、初期のWindows NTにツールが標準添付されなかったためか、NT/Windows 2000のNTFSボリュームに対するディスクの断片化(フラグメント)への意識は、Windows 9xのFATボリュームに対するそれと比較すると低いと感じる。これには、Windows NTとともに初めてNTFSが紹介されたとき、「新しいNTFSファイル・システムでは、ディスクの断片化が深刻な問題になることはない」という旨をマイクロソフトが公表したことも影響しているだろう(この根拠については、別稿の「コラム:NTFSではフラグメントは発生しにくい?」を参照)。しかし現実には、ディスクに対するファイルの書き込みと削除を繰り返せば、NTFSにおいてもディスクの断片化(フラグメント)は進むし、システム全体に及ぼす影響は小さくなってきたとはいえ(ディスクが高速化したため)、断片化が進むと、必然的にディスクのアクセス速度は低下してくる。
幸いなことに、Windows 2000では、待望のディスク・デフラグメント・ツールが標準添付された。本稿では、NTFSボリュームにおけるフラグメント発生のメカニズムを解説し、フラグメントが及ぼす性能劣化と、デフラグメント・ツールを実行した場合の性能改善などについて実際に評価してみよう。
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